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その時が来る
おなまえは?
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ばちっ…と目を開ければ白い天井が目に入る。
薬品独特の匂いと窓の隙間から流れる風でフワフワ揺れるカーテンに、今までの全てが夢だったのではないかとすら思えた。
「…してやられた。」
「!… 名前ッ…?」
「……あは、消太ピチピチじゃん。」
「何馬鹿なこと言ってんだ阿呆ッ…!!」
「いだァッ…!?」
ヒョコと顔をのぞかせた消太(高校生ver)にヘラリと笑えば落ちてくる手刀。
その痛みを額越しにしっかりと感じたことで自分が元の時代に戻ってきたことを実感できた。
「久しぶりに会ったのに酷いなぁ…。」
「何が久しぶりだッ…!勝手に突っ走ってヴィランに数百メートル飛ばされたんだぞ…!?」
「…数百メートル…飛ばされたの?」
「!…まさか、覚えてないのか?」
「んー…あんまり覚えてない。」
“から、教えて。” と呟けば心底心配そうに眉を寄せる消太。
その顔を見る度にピチピチだな、なんて考えて年取った消太も悪くなかったななんて笑う。
すると本格的におかしくなったかもしれないと考えた消太が医者を呼ぼうとするものだから、その手を掴んで苦笑いを零しながら引き止めた。
「長い夢見てただけだから、大丈夫。」
「…長いって言っても半日だけだぞ。」
「半日?私、半日寝てたの?」
「あぁ…。」
「…あのヴィラン達は?」
「!…全員確保した。あの場で警察に引き渡したし今頃はもう拘置所だろうな。」
そこまで聞いて息を吐く。
まさか本当に夢だったのだろうか?
私が未来にいたのは数ヶ月単位だったにも関わらず消太は半日寝ていただけだと言う。
そう思って起き上がればベッド脇に見えた小さい透明な袋と、その中でキラリと光る針先。
「…消太、それ…。」
「!…お前が倒れてた時に握りしめてた。見た目からして怪しいから警察的には回収したかったみたいだが、念の為貰っておいた。」
「あはは、さすが消太。」
「やっぱりお前のか?」
「んー…そうだね、私たちの未来の平和がかかっている最終兵器って感じ?」
「……だらしない顔して笑うな。本気で心配したコッチが馬鹿みたいだろうが。」
「辛辣っ…!」
呆れたように息を吐いてベッドサイドに座る消太に再びヘラリと笑う。
心底心配してくれたのだろう。
目の下のクマがいつもより少しだけ濃いことがその事実を物語っていた。
「消太、ただいま。」
「!……ん、おかえり…。」
ほんの少しだけ口角を上げた消太にコクリと頷く。
未来の消太は大丈夫だろうか?
一瞬そんな考えが浮かんで、その思考を打ち消すようにブンブンと首を振る。
…いや、心配する必要は無いだろう。
私がこの時代で生きて、2年後にヘマをして死ななければ良い。
それだけで、未来の消太への恩返しになる。
「てわけで消太、ラーメン食べに行こう!」
「病み上がりは黙って寝てろ。」
「やっぱり辛辣っ…!!」
→ To be continued.
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