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相澤消太の隠し事
おなまえは?
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プロヒーロー “エンデヴァー”。
その若さで数多のヴィラン逮捕に貢献し、なみいるプロヒーロー達を押しのけてビルボードランキングNo.2に君臨したトップヒーロー。
私の生きていた時代ではNO.1ヒーロー、オールマイトに続き不動の人気となりつつある存在だった。
「(けど正直言ってここまでの威圧感はなかった気がするよッ…!)」
ドドンッ…という効果音がつきそうなくらいの存在感を放つエンデヴァーさんを見てそんな事を考える。
隣では轟が無言で紅茶を飲み、それを横目でチラ見したエンデヴァーさんの瞳が再び私の顔を捉えた。
…うん、怖い。
そんな気持ちを誤魔化すために、と秘書らしき人が持ってきてくれた紅茶に口をつける。
すると何故か入れたてのはずの紅茶がちょうどいい温度まで冷まされている事に気がついて思わず首を傾げてしまった。
「…お前は猫舌だったからな。」
「!…え、あ、はい…。」
「そう構えなくても事情は大体聞いている。今回は焦凍が世話になっていると聞いて挨拶でもと思っただけだ。」
「…そう、ですか。」
“焦凍” という名前を出した瞬間に少しだけ緩んだ目元を見て、この人も人の親だななんて思う。
この時代では万年No.2だなんて呼ばれている、なんて聞いて正直どんだけ腐っているのかと思ったけど…この人の目を見れば腐っていないことは明らかだった。
「…それで、元の時代に戻るような算段はついているのか?」
「それが全く…。個性を使った犯人が今何処にいるのかも分からなくて…。」
「そうか…。」
「…親父は苗字さんに会ったことあんだろ?今の苗字さんと違うとことかねぇのか?」
「…特にないな。それに未来に飛ばされたことがあるなんて突拍子もない話も聞いたことは無い。」
そんなエンデヴァーさんの言葉にそれはそうだ、と眉を下げる。
私の一番近くにいたはずの消太が知らないのに仕事で少し一緒になっただけのエンデヴァーさんがそんなこと知っているはずがない。
それに校長先生の話し的にこの世界の過去が私の世界かどうかもわからないのだ。
まさに、八方塞がり。
「それにしても昔のガッティーナがずっと話していた“ショータ”が焦凍の担任だとは思わなかったな。」
「!え…?」
「手紙が届いて驚いた。」
「わ、私が消太のことをエンデヴァーさんに話していたんですか?」
「あぁ、写真を見せながら色んなやつに話してたからよく覚えている。」
「苗字さんが、担任の写真を…?」
「あの頃は付き合いたてだったからな。誰にでも言いふらしたい時期だったんだろう。」
“随分と騒がしかった。” と少しだけ笑うエンデヴァーさんに私と轟はポカンと口を開けたまま固まる。
それに対して首を傾げるエンデヴァーさんに、ゆっくりと回転し始めた脳みそが私の口を何とか動かした。
「わ、私と消太がッ…付き合いたてッ…?」
「そうだっただろう、卒業式の日に告白されたんだとお前が騒いでいたぞ。」
「…おいクソ親父、この苗字さんはまだ高校3年生のインターン中だぞ。」
「……そうか、失言だったな。」
すまない…と謝ったエンデヴァーさんの声が真剣で、それが彼の悪い冗談ではなかったと理解した私は暫く思考がショートしました。