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擬似的パジャマパーティー
おなまえは?
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「ねぇねぇ、消太。」
「ん…なんだ。」
「雄英ビッグ3って、強い?」
キッチリ消灯時間5分前に私を迎えに来た消太に連れられて、夜の道を歩く。
いつもなら猫化して消太に運んで貰うのだが、今日は何となく消太の隣に並んで歩きたい気分だった。
「アイツらに聞いたのか。」
「うん。全員、お腹殴られたって。」
「まぁ、結果的にはそうだな。」
「(消太め…いちいち説明するの面倒臭いからって適当に流そうとしてるな…。)」
「…気になるか?」
「ん…そりゃあね。私とは同い年だし、強いって皆が言うからいやでも気になるよ。」
本当は消太に聞いてみたかった。
私のことを強いと言ってくれていた彼に。
雄英ビッグ3と、私…どっちが強いかと。
けど、もし雄英ビッグ3の方が強いと言われてしまったらかなり落ち込む気がする。
そう考えたら何となく聞けなくて。
いつからこんなネガティブな性格になったのだろうかと自分でも呆れてしまった。
「…アイツらと戦った通形ミリオという生徒は俺の知る中で最もNO.1に近い男だ。」
「!」
「まぁ、最前線で戦うプロヒーローに比べたら足りないところはまだまだあるけどな。」
「…そっか。」
「……負けるかもしれない、と思ったか?」
「え…?」
「苗字 名前らしくないな。」
私の歩幅に合わせてゆっくり歩く消太の視線はまっすぐ前だけを見据えている。
私の方を見ないのは彼なりの心遣いなのだろう。
昔から、私が弱っている時には絶対に私の方を見ようとしなかった。
それは、プライドの高い私を守るための行動。
「…井の中の蛙だって思ったの。」
「……。」
「私は雄英高校のトップとしてそれなりに誇りを持って学んでた。手を抜くことも、妥協もなかった。」
「……。」
「けど、この時代に来てみたら私の知らない事がたくさんあった。時代の流れだから仕方ないって言葉では流せないくらい、たくさん。」
「だから、井の中の蛙か。」
この重たい気持ちを私は知っている。
自分の実力のなさを知った時に感じる微かな敗北感と強い劣等感。
そして、まだまだ目指すべきものがあるという強い強い高揚感。
「私も、負けていられないね。」
「…別に、アイツらに比べてお前が劣ってるとは思ってないけどな。」
「あはは、ありがとう。」
「… 名前。」
「ん、なに?」
ピタリと立ち止まった消太から溢れ出た名前に反応して私も足を止めて振り返る。
先に立ち止まった消太と私の間は約1.5メートル。
その距離がなんだかもどかしくて、私は小さいながらも一歩前に出た。
「消太…?」
「…お前は、良いヒーローになる。」
「!」
「だから、足だけは止めんな。」
「…そんなの、言われなくても分かってるよ。」
“馬鹿だなぁ、消太は。”
そう呟いて再び前を向く。
さっきよりも心が軽い。
爆豪くんみたいに単純馬鹿ではないと思っていた数時間前の私に言ってやりたい。
「(消太の一言でこんなに喜んじゃうんだから私も負けず劣らすの単純馬鹿だったみたい。)」
→ To be continued.
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