↓↓
擬似的パジャマパーティー
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「雄英ビッグ3…?」
聞きなれないその言葉を繰り返す。
またも私たちの時代には無かった言葉だ。
そう思って首を傾げれば、隣にいた百ちゃんがコホンと咳払いをしてから口を開いた。
「簡単に言えば現3年生方の中のトップ3ですわ。」
「へぇ…。ってことは強いの?」
「強いなんてもんじゃねぇっすよ、あれは。」
「俺達、20人で一斉に相手したのに全員1発ずつ腹殴られて終わりました。」
「おお、すごいね!」
「わわっ、苗字さんの目がキラキラしとる!」
「ずっと思っていたけど、苗字さんって女版の爆豪ちゃんみたいね。」
「好戦的って意味ではそうかもね。」
そう言ってクスクスと笑う梅雨ちゃんと響香ちゃんにそんなことないだろうと眉を寄せる。
爆豪くんはただの生意気小僧だ。
多少は勝率なんかも気にするのだろうが、相手に煽られれば負けると分かっている勝負でも乗っかる。
「(私は戦うこと自体は好きだけど、負け戦をするほど単純馬鹿じゃないしね。)」
「でもでも!苗字さんと雄英ビッグ3の人達だったらどっちのが強いのかな!?」
「個性の相性などもありますし、あの通形先輩相手であれば苗字さんの方が不利なのでは?」
「えー!私は苗字さんの方が強いと思うな!」
「ケロケロ、私は通形先輩だと思うわ。」
「私は苗字さんやと思う!」
ワーワーと当事者である私を差し置いて始まったその言い合いを眺めながらお菓子を食べる。
私の強さを身をもって体験したこの子達がそこまで言う雄英ビッグ3。
私の時代では私が3年生の中で1番強かったし、立場的には同じってことになるけど…。
「(私と同じ立場ってことは今インターンで忙しい時だし会うことはない、かなぁ…?)」
「苗字さんは!?」
「え?」
「苗字さんはどう思う!?」
「ん、んー…実際にその人達が戦ってる様子とか見ないと分かんないかなぁ。」
正直、少し前までの私なら絶対に勝てると豪語していただろう。
それは雄英高校の頂点にいた者としての当然の驕りであり、プライドだから。
けど、この世界に来ていやでも感じた。
時代の流れによって個性もヴィランも犯罪も…全てが多様性に溢れている。
私の時代にはなかった考え。
私の時代にはなかった機械。
その全てが、私を未熟者だと言っている気がした。
「(私は、井の中の蛙だった…。)」
自分の中でそう呟いて、足元に視線を落とす。
少し、ネガティブな気持ちだ。
そう思いながら自分の膝を抱え込めばフワリと消太の匂いが鼻を掠めて、それだけで私の頬はゆるゆると緩まった。