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お姉さんは考える
おなまえは?
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黒猫の姿になって出ていく彼女を見送ってから自分用のカップにコーヒーを注ぐ。
さすがに口を出しすぎただろうか?
そう思うものの、傍からみれば両想いの2人がすれ違っている姿を目の当たりにするとついお節介をやきたくなってしまう。
「(まぁお互い難しい心境だとは思うけど…。)」
正直、先ほど彼女に言った言葉に悪意はなかったものの僅かながらの願望は入っていた。
彼女がこのままこの時代に残り相澤君を支えてくれないだろうか、なんていう自分の勝手な願望。
もちろん解っている。
彼女が元の時代を恋しいと思っていることも、相澤君が恋人同士だった頃の彼女を求めていることも。
だけどそれでも、彼女に残っていて欲しい。
そう思うのは何年も前、彼女を失いボロボロになった後輩の姿が今でも鮮明に思い出せるからだ。
「相澤君の様子はどう?」
「…正直、見れたもんじゃねェ。」
「そう…。」
高校時代からの付き合いであるマイクが頭を抱え込み息を吐く。
その姿を見て彼女が彼にとって、そして相澤消太という男にとってどれだけ大きな存在だったのかが伝わってきた。
ヒーローとして、一人の人として彼女に関わっていた誰もが彼女の死を認められなかった。
当たり前だ。
ヒーローとしての実力も申し分なく、将来はビルボード入りも確実だろうと噂されていたのだから。
そんな彼女が、こんなに早くしんでしまうなんて信じられなかったのだ。
いや、信じたくなったのだ。
彼女がいない世界など、想像も出来なかった。
「…くん、ミッドナイト君。」
「!オールマイト…?」
「考え事かい?」
「えぇ…少し。」
「…あまり考え込み過ぎない方がいいぞ。悪い方向へと思考が偏り始めたら現実でも笑えなくなってしまうからね。」
「!…さすが、平和の象徴ですね。」
「もう引退した身さ。だから今のは何でもないオジサンの戯れ言だと思ってくれていいよ。」
そう言ってHAHAHA…と笑うその人につられて自分の頬を少しだけ緩める。
オールマイトはどことなく彼女に似ていると思う。
ポジティブな所だろうか?
誰に対しても屈託なく笑うところだろうか?
「(この時代の彼女が今も生きていたら…平和の象徴の後継者だったかもしれないわね…。)」
「?」
「いえ、なんでもないです。」
とりあえず、余計なお節介は程々にしておこう。
これは彼女と相澤消太の問題だし、部外者の私が口を出して拗れるなんて事態は避けたい。
ただ願わくば、生意気で愛しい後輩達がこれからも笑顔で過ごせるように。
「(なんて、私もまだまだ青臭いわね。)」
→ To be continued.
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