↓↓
模擬戦闘訓練 2
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ブザーが鳴り響いた瞬間、ドサァッとその場に倒れ込む苗字さんに思わず目を見開く。
もしかして死んだのか。
そう思ってクラスメイトの耳郎を見れば、相手は大丈夫だろうと呟いた。
「…… 猫。」
「っ…猫は、私の名前じゃないっ…。」
「!」
「… 苗字 名前、って名前があるのっ…。」
ゴロンっ…と仰向けになりながら教えてもらった名前を自分の中で呟く。
それから彼女の頭の上でぴょこぴょこ動いている猫耳を見つめ、そのフワフワをスルリと撫でた。
「!…セクハラだぞ、少年。」
「…猫、好きだ。」
「あー…はいはい。」
好きにしろ、なんて呟きながら人型だった身体が小さい猫の形に変わる。
その姿に頬を緩めれば、そのフワフワの尻尾が俺の頬をスルスル撫でた。
「綺麗な顔に傷つけちゃったな…。」
「…これくらい、治る。」
「ん…知ってる。」
「轟、戻ろう。…あ、苗字さん猫になってる。」
「もう歩くの面倒臭い。連れてって。」
おねがい、と耳郎にすり寄るその人の身体を持ち上げる。
耳郎は驚いたように目を見開いていたが、そのフワフワを少しでも触っていたいのだと伝えれば呆れたように笑った。
「そんなに好きなんだね、猫。」
「あぁ…ふわふわだ。」
「…別にどっちが運んでくれてもいいけどさ。」
「苗字さんって猫なのに喋れるんだね?」
「おう?喧嘩売ってんなら買うぞイヤホンちゃん。」
「冗談っす。」
耳郎の冗談に文句を言いながら、その尻尾で彼女の腕をペシペシ攻撃する苗字さん。
こんな間近で猫を見た事はなかったが、これは癖になるかもしれない。
そんな事を考えながらそのツヤツヤの尻尾をガシッと掴んだ。
「ぎに゙ゃッ…!?」
「ぎにゃ…?」
「ちょ、轟ッ!猫の尻尾はそんな思いっきり掴んじゃダメなんだよ!」
「わ、悪いっ…!」
パッ…と手を離して謝ればそんな俺をムッと睨みあげる苗字さん。
本当にこの可愛い生き物がさっきまで戦っていたあの人と同じ人なのだろうか?
そう思って首を傾げれば、そのフワフワな尻尾が俺の顔にベシンッと攻撃してきた。
「反省しろや、クソ王子。」
「…爆豪みたいだな。」
「よぉし、分かった。イヤホンちゃんに連れてってもらう。」
「なんでだ。」
フルフルと首を横に振れば耳郎は好きにしなと笑う。
そんな彼女にお礼を言って苗字さんを見れば、彼女は面倒くさそうに息を吐いて目を閉じた。
「早く戻ろう。」
「…おう。」
こんな可愛い猫なら飼いたい。
そう呟いたらまた怒られた。