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模擬戦闘訓練 2
おなまえは?
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さて、どうしようか。
匂いをたどって登ってきた屋上には耳から何かが垂れている女の子と、さっきの氷少年。
おそらく下に囮役の子がいるのだろうが…。
「(この子だよね…エンデヴァーの息子って…。)」
息子さんについては、サシ勝負じゃないとかなり苦労する気がする。
でも引き離せる気がしない。
てことで、やるしかない。
「はい!お待たせ!!」
「「!!」」
振り向いた2人に手を振る。
いやね、息子さんの攻撃は近くにいたら対応できないからね。
そう思いながら人間の姿へと変わる。
が…少し本気を出すために途中で変化を止めた。
人間の身体を限界まで速く動かすならこの獣人化が1番だ。
パッと見は耳と尻尾、あとヒゲが残っているだけだからコスプレだと思われるんだけどね。
よく見て、爪尖ってるから。
牙だってあるんだから。
これ、私の1番強い戦闘スタイルだから。
「だからコスプレって思わないでね!?」
「いや、思ってないけど…。」
「……猫、いいな。」
「マジか…轟の目がキラキラしてるっ…!」
「猫は好きだ。」
「お、ありがとう。」
お姉さん嬉しいよ、なんて笑う。
何だこの子達、いい子達じゃないか。
爆豪君のせいでヤバい奴らのイメージだったけど、やっぱり良い子もいるんだね。
「そんな可愛い子達にはあんまり痛い思いして欲しくないんだよねッ…!!」
話しながら耳のコードを伸ばしていた女の子へ一気に間合いをつめる。
チラリと見えた足元にはスピーカー。
おいおい、まさか山田と同系か?
「(だとしたらコッチの子を先に仕留めるっ…!)」
思いっきり脚を振り切れば、何故か間に入ってきたエンデヴァーの息子君が私の蹴りをガードする。
それに驚いた私の一瞬の隙を逃さず、その女の子のジャックがスピーカーに差し込まれた。
「!!」
「させねぇっ…!」
「ちょっ…マジかっ…!!」
やばい。
そう思って距離を取ろうとすれば息子さんに足を掴まれて、そんな私の耳に彼女の爆音が響いた。
「あ゙ぁ゙ぁッ……!!」
フラッ…と身体が揺れる。
一瞬で獣人化を解いたものの、この爆音は普通の人間でもしんどい。
ぐらぐらと揺れる脳に無理だ…と倒れ込めば掴まれていた足がスルリと離される。
それを確認した瞬間に両手を軸にしてそのスピーカーを思いっきり蹴った。
「!?」
「ごめんっ…ねッ!!」
フラフラする身体に気合を入れて、そのままもう一撃だと彼女を狙う。
と再びオッドアイが間に入り込んで来たため、思わず舌打ちをかましてその綺麗な横顔を思いっきり蹴りを入れた。
「っ…ってぇっ…!」
「はぁっ…はぁっ…必ず女の子を助けるとかっ…王子様だねッ…?」
「!…王子っ…?」
「そ、王子っ…!」
脳が少しずつ正常に動き始める。
スピーカーは壊れた。
もうあの子の爆音はもう使えない。
再び獣人化になってから流れ出た汗を手で拭えば、自分の口角がつり上がっているのが分かった。
「猫は好きなのかっ…、王子ってやつ…。」
「アハハっ…大っ嫌いッ…!」
そう叫んで地面を思いっきり蹴った瞬間、制限時間の終了を知らせるブザーが鳴り響いた。