↓↓
模擬戦闘訓練
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
身体の痛みに眉を寄せながら目を開けば、自分の下で気を失っている口田君が見えた。
多分気を失っている。
自分のせいで申し訳ない、と思いながら視線をあげればすぐ隣で大きな身体が倒れ込んだ。
「っ…障子君っ…!!」
「!…あれ、意外と頑丈だったのかな…?」
「えっ…?」
障子君に駆け寄ればコチラに視線を向ける黒い…猫。
……猫?
「ね、こ…?」
「……にゃあ。」
「ど、どこから入りこんだんだーーー。」
「麗日止めろっ…!!」
猫に手を伸ばしかけた瞬間に聞こえた常闇くんの声。
それに反応して思わず手を引っ込めれば、その黒い猫はニヤリと目を細めた。
「良かったねぇ、麗日ちゃん…あの子がいなかったら、その手が吹き飛んでたぞ?」
「!!」
ズサァッ…と後ずさり、その猫と距離を取る。
すると目の前の猫の姿が人間の姿へと変わっていくものだから、そんなことがあるのか何度も瞬きを繰り返した。
「あれが奴の個性かっ…!」
「で、でも上鳴くん達と戦ってた時にはパワー増強型じゃないかって…!?」
「あぁっ…恐らく轟と同じっ…。2つの個性を兼ね備えているのかもしれないっ…。」
「ふふっ、大正解。」
ニヤリ、と口角を上げる苗字さんの目が太陽の光を反射させキラリと光る。
ゾワリ…と全身に鳥肌が立った。
「あと3人いるよね?…どこにいるのかな?」
「さぁな…。俺たちは4人でフォローをするのが役目だ。他の奴らが何処にいるかは知らん。」
「なるほど…君たちが、フォロー役なのか…。」
「っ……。」
ジリッ…と距離を詰めてくる苗字さんに、私と常闇君も1歩後ろに下がる。
そろそろだ。
そろそろ彼女達が隣のビルからコチラに来ているハズなのだ。
彼女達さえ来てくれればっーーー。
「勝てる、?」
「!!」
「麗日ッ…!!」
一瞬の気の緩み。
その瞬間に生じたお腹への強い痛みに、自分の実力不足を痛いほど実感した。
「君たちはねぇ…自分達はヒーローだから追う側だと思ってるでしょ?」
「っ…ぐっ…!」
「真に強いヴィランっていうのはねぇ…ヒーローを狩るつもりで来るんだよ?」
そう呟いた彼女は悲しそうに微笑んだ。