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1番近い。
おなまえは?
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「・・・うま。」
「やっぱり。名前ちゃんの口に合うと思ったんだよね、そのワイン。」
「わざわざ買ってきてくれたんですか?」
「まぁね。名前ちゃんは明日も休みデショ?ならたくさん飲めるかなって思って。」
「ふふっ、今初めてホークスのサイドキックで良かったと思ったよ、私。」
そう言って小さく笑えば相手も嬉しそうに頬を緩める。
さりげなく批判されていることには気づいているのだろうが、そんな小さなことに反応することは無い。
これが人気ヒーローの余裕というやつなのだろう。
「あ、でも度数は高いらしいから気をつけてね?」
「大丈夫、家で飲んでるんだからどうなっても悪い方には転がらないよ。」
「・・・そうだね。」
「ん、ホークスは飲まないの?」
「俺は明日からまた仕事だから。」
“ 名前ちゃんを見ているだけで充分。”
そう言って私が作った唐揚げを口に含むホークスに珍しいこともあるものだと首を傾げる。
いつも飲み会やら何やらがあっても次の日にはケロッとしているのに・・・今日に限って飲まないなんて。
「ホークスとサシで飲めるのなんて、きっと今日が最後なのに。」
「それは・・・寂しいってことかな?」
「そりゃあ、3年以上も一緒だったし?ゆっくり感傷に浸りたくもなるでしょ。」
「・・・珍しか。」
「ふふっ、驚くホークスも珍しか。」
フワフワする頭で、言葉を返す。
この地域に住み始めたのも3年半前・・・。
ここの方言は響きが柔らかくて好きだ。
そんなことを思いながらも再びワインに口をつける。
今日は思ったよりもお酒が進む日だ。
「あらら、もう半分以上飲んじゃってるや。」
「ん・・・?ホークス・・・?」
「目もトロンとしちゃって・・・そんな姿、男の前でしちゃダメでしょうが。」
伸びてきた手がスルリと私の頬を撫でる。
久しぶりのお酒で身体がポカポカと熱いからか、その手は冷たくて気持ちが良かった。
「んん・・・ホークスの手、冷たくてきもち・・・。」
「!・・・ちょっと待った、可愛すぎ・・・。」
「ホークス・・・?」
「あー・・・名前ちゃん?」
「ん・・・?」
「っ・・・さすがに酔ってる女の子を襲うのはあまり気が進まないんだけど、いつも以上に可愛い名前ちゃんが悪いよね?」
「へ・・・?」
フワリと身体が浮く。
私が個性を使っていないし・・・そうなると犯人は分かりきっている。
そう思って手を下に伸ばせば、フワフワした羽根が私の下で浮いているのが分かった。
「ホークス・・・?なにこれ・・・?」
「ベッドまで運んであげるんデショ。」
「えー・・・?ワインは・・・?」
「残りは明日。」
「えー・・・。」
「ワガママ言わない。・・・なんて、これじゃあいつもと立場が逆だね。」
そ呟くホークスは、なんだかいつもよりも上機嫌だった。