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愛故の
おなまえは?
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モゾモゾと布団から顔を出せば、私の髪の毛を優しく梳いていた惣右介の手が止まる。
情事後すぐ眠ってしまったため衣服も身につけていないその姿に、随分と信用されているなと私の頬は自然と緩んだ。
「何か良い夢でも見たのかな?」
「見てないよ。惣右介と一緒だとしっかり眠れるから、夢とか見ないの。」
「・・・私がいない時は、あまり眠れないのかい?」
「眠れるけど、浅い眠り。」
「・・・そうか。」
私が浅い眠りしか出来ないという言葉に何故か嬉しそうに目を細める惣右介に首を傾げる。
一応大切にされている感はあるのに、たまに私の不幸を笑うこの男の感覚はよく分からない。
「なんで嬉しそうなの?」
「・・・そのまま私がいないと眠れない身体になればいいと思ったからかな。」
「!・・・意地悪。」
「愛故の我儘だよ。」
「なら私も愛故の我儘たくさんあるよ?」
「例えば、どんな我儘だい?」
楽しそうな瞳で私を見つめる惣右介に、良い機会だから色々言ってみようかと微笑む。
たまには私だって惣右介を困らせたい。
「例えば・・・十刃達の自宮に行ってみたい!」
「ダメ。」
「否定が早すぎるよ・・・。」
「本来なら一瞬だって君と離れたくないんだよ。ギンや要と出歩かせている時だって不安と心配で胸が張り裂けそうになる。」
「!・・・嘘つき。」
「本当のことだよ。名前はまるで花弁みたいだからね。少しでも風が吹いたらどこかへ飛んでいってしまうかもしれないと、いつも不安になる。」
「私、花弁じゃないよ?」
「私にはそう見える、という意味だよ。」
そう言って私の頬に手を添える惣右介に、仕方なく目を閉じれば優しい接吻が落ちてくる。
唇を啄むようだったソレは少しずつ深くなっていき、私もつられて惣右介の背中へと腕を回す。
この腕の中が、1番心地いい。
そう伝えるようにギュッと抱き締めれば、惣右介の手が私の身体を包み込んだ。
「大胆だね、名前。」
「でも、惣右介ギュッてされるの好きでしょ?」
「・・・そうだね。名前から貰えるものなら苦しさも痛みも悲しみも、全部好きだよ。」
「!・・・そんなの、私もだよ。」
「嬉しいよ。・・・なら、そんな私の小さな願いも聞いてもらえるかい?」
「ん・・・なに?」
「もう一度、君を抱きたい。」
「!」
私の返事も聞かないまま私の上に覆い被さる惣右介の瞳は優しくギラリと光る。
私の返事なんて聞く気もないくせに。
そんなこと思いながら私はゆっくり頷いた。
「貴方が望むなら、何度でも。」
「・・・愛故に、かい?」
「そう。・・・愛故に。」
END
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