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愛故の
おなまえは?
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隣にいるその人を見つめる。
フワフワの髪は後ろに流され、1束だけが彼の綺麗な顔の前に垂れ下がる。
柔らかそうな唇は楽しそうな弧を描いているのに、その涼やかな目は冷静そのもの。
そして筋が通った白い腕の先で少しだけ曲げられた指先がその整った顔の横に申しわけな程度に添えられていた。
「・・・そんなに熱心に見つめられると私の顔に穴があいてしまうよ、名前。」
「面白い事いうんだね、惣右介。」
「どうしたんだい?いつもならギンや要と楽しそうに遊んでいる時間じゃないか。」
「ギンも要も忙しいって。」
「そうか。」
きっと2人が忙しい事も知っている惣右介に、相変わらず意地悪だと眉を寄せる。
この綺麗な顔で尸魂界の皆を百年以上騙し続けた極悪人は、どうやらいつもよりも機嫌がいいらしい。
黙り込んだ私に手を伸ばし、私の頬に手を添えてから親指でスリスリと私の頬を愛でる。
・・・本当に、珍しいこともあるものだ。
「惣右介、ご機嫌だね?」
「あぁ・・・そうだね。君が何処にも行かず、私の隣にいてくれているからかな?」
「・・・意地悪は変わらないね。」
「そうかい?先日、君を甘やかしすぎだとギンに言われたばかりだよ。」
ポンポンと叩かれた惣右介の膝を見て、チラリと視線を玉座の下に向ける。
そこには十刃の1人・・・ウルキオラと、彼が攫ってきた人間の井上織姫・・・あと何人かの十刃がいる。
・・・本当に珍しい。
いつもは周りに人がいるとくっつかないのに。
「名前。」
「・・・分かったよ。」
名前を呼ばれ、伸ばされた手をギュッと握り返してから惣右介の膝の上に座る。
僅かな抵抗として横向きに座ろうと試みれば、そのまま持ち上げられて向かい合わせに座らされてしまった。
「恥ずかしい・・・。」
「君が恥ずかしがるとは思わなかったな。」
「私にだって羞恥心くらいあるよっ・・・。」
「そうかい?それなら、私の勘違いだったかな?」
「え?」
「私の顔を見つめていた君の目は、私に欲情しているように見えたよ。」
スルリ・・・と私の背中を優しく撫でる惣右介の手にビクリと私の身体が揺れる。
もう片方の手が私の髪を梳き、その綺麗なブラウンの瞳がギラリと光る。
まさかこの男、上機嫌だからって下の人達に見せつける気なのだろうか。
そう思って彼の白い服をキュッと握れば、相手はクスクスと笑ってから私を抱えたまま立ち上がった。
「ウルキオラ、彼女のことは君に任せるよ。」
「・・・は。」
「何かあればギンか要に伝えるように。・・・私は少しの間、休ませてもらおう。」
そう呟いた惣右介は私を抱えたまま玉座を後にした。
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