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百年ぶりに
おなまえは?
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目が覚めれば外は既に夜だった。
モゾモゾ…と布団から出ようとするが、隣で眠っている喜助さんが起きてしまうのは困るため仕方なく布団へと戻る。
にしても…せっかく私用に布団を買ったと言っていたのに、こうして一緒に眠っては意味がないんじゃないだろうか。
「…ん… 名前サン…?」
「!…喜助さん、起こしちゃいました?」
「いや…この百年間で1番よく眠れましたよ。」
「…私もです。」
チュッ…と額に落ちてくる口付けに、相変わらずだと思わず笑う。
こんな優しい顔して情事は激しいものだから、その落差に毎回笑ってしまうのだ。
「…このまま時間が止まってくれたらいいんスけどね。」
「無茶言わないでください。」
「ですよね。…なら他の無茶なら言っても許してもらえますか?」
「…ものによります。」
「…このまま護廷十三隊を辞めて、名前サンもボクと一緒に現世で生きていきませんか?」
「!」
「もちろん今すぐという訳じゃアリマセン。だけどこの戦いが終わったら…少し考えて頂けませんか?」
私の手を握り、そう呟く喜助さん。
その言葉は百年前に言って欲しかった言葉。
私が、一番言われたかった言葉。
「…私、死神一筋だったので現世のこと何もわからないですよ?」
「もちろんボクがお教えします。」
「駄菓子屋さんじゃなくて、おーえるってやつになってみたいです。」
「…毎日定時で帰ってきていただけるなら。」
「ウルルちゃんやジン太君と仲良くなれますか?」
「あの子達には名前さんのことをたくさん話してあるので大丈夫でしょう。」
「どんな話をしたのかは怖いので聞きません。」
そう言ってプイッと顔を背ければ喜助さんは私の髪の毛をサラサラと撫でる。
その仕草が恥ずかしくて眉を寄せれば、相手はそれすらも分かっているようにクスクスと笑った。
「今度はボクが待ちますよ、何十年でも。」
「…一生来ないかもしれないですよ?」
「そうっすねぇ…。その時はボクが瀞霊廷まで迎えにいきます、今度こそ。」
「!…来れないくせに?」
「そこは愛の力でどうにか。」
「なるの?」
「なります。」
“こんなでも元隊長っスから。” と笑った彼に、私も仕方ないなと頷いた。
END
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