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百年ぶりに
おなまえは?
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「熱いお茶で宜しかったですかな。」
「はい。でもまさか鉄裁さんまでコチラにいらっしゃるなんて思いませんでした。…お元気そうで何よりです。」
「名前殿こそお元気そうで安心致しましたぞ。」
「あ、お茶いただきます。」
そう言って微笑めば微笑み返してくれる鉄裁さん。
相変わらず物腰柔らかな人だ…と思いながらお茶に手をつければ、私の真隣に座っていたその人は不服そうに唇を尖らせた。
「なんで霊圧に気づいて出迎えたボクは殴られてテッサイは笑顔なんスかね?」
「罪の重さじゃないですか?」
「罪って…久しぶりに会う恋人にその態度はあまりに冷た過ぎやしませんかっ…?」
「!それはすみません、百年近く音信不通だったからてっきりもう時効だと思ってました。ね、元十二番隊隊長浦原喜助さん?」
「ひどいっ…!」
私の言葉に傷ついて泣き真似をする喜助さんにひどいのはどっちだと眉を寄せる。
尸魂界から追放されていたからと言っても、手紙の一つくらいその気になれば送れただろう。
なのに今さら恋人顔するなんて…。
「まぁまぁ名前殿、店長も色々悩んだ末の決断だったわけですから。」
「…分かっています。…だからこそ私も探さなかったんですから。」
「!…テッサイ、下の子達お願いしマス。ボクは名前さんと話さなきゃいけませんから。」
そう喜助さんが呟けば鉄裁さんはコクリと頷いて、部屋から出ていく。
そんな鉄裁さんを見送ってからもう一度お茶に手を伸ばせば、その手は横から伸びてきた手に捕まってしまった。
「… 名前サン、まだ怒ってますか?」
「怒っていません。」
「それなら、顔をボクの方へ。」
「…嫌です。」
「!困りましたねぇ…嫌だと言われたら力づくで向かせなきゃいけなくなる。」
グイッ…と引っ張られ私の体が喜助さんの身体に包み込まれる。
そのまま私の頬をスルリと撫でた手が、とても懐かしくて私は思わず目を閉じた。
「この百年…貴女を忘れた日はありませんでした。」
「…そんなの、私だって同じです。」
「本当は連れて行きたかった。…だけど、情けないことに不安になってしまったんです。ボクの都合で名前サンを振り回すことに。」
「分かっています。それでも…私は無理にでも連れて行って貰いたかった。」
“この百年は…1人で生きる私にとって永遠のように感じられました。”
そう呟いた私に、喜助さんは優しい口付けを落とした。