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百年ぶりに
おなまえは?
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手紙には今回の旅禍の子達を送り込んだ理由、百年前に起きていた出来事、そして自分の今の近況が書かれていた。
“ 追伸 名前さんがいつ遊びに来ても大丈夫な様に新しい布団を買いました。”
そんな言葉で終わった手紙を思わずグシャッと握りつぶしてしまったのは不可抗力だと思って頂きたい。
「…という訳で、内緒で来た。」
「だろうな。つか何で俺のとこに来るんだよ、直接行きゃいいだろ浦原商店に。」
「場所が分からないの。それに黒崎の霊圧は見つけやすいからさ。」
「人を目印にすんじゃねぇよ。それに俺も忙しいんだ。」
そう言ってフイッ…と顔色が曇る黒崎に、まぁ仕方ないだろうなと頷く。
普通の人なら気が付きにくいだろうが…
霊圧を使って治療をする私には、黒崎の中で不安定に動く彼の霊圧は違和感でしか無かった。
「おら、地図書いたからこれで行けるだろ。」
「!…ついてきてくれないの?」
「子供か!!さっさと行け!!」
意外にも分かりやすい地図を私に渡してさっさと行ってしまう黒崎に小さく息を吐く。
1人で行くのが嫌だからわざわざ探したのに…結局は1人で行かなきゃ行けないらしい。
こんなことなら夜一さんに連絡をするべきだったと少しだけ後悔もした。
「…ここか…。」
そんなこんな考えていればあっという間に辿り着いてしまった浦原商店。
隙間から僅かに漏れる懐かしい霊圧が、私の足を余計にすくませた。
「(怒りにまかせて来ちゃったけど…顔合わせて何話せばいいのか分かんないぞ…。)」
うーん…と扉の前で考える。
いや、いつかは入らなきゃいけないわけだけど…百年ぶりに会うからか緊張がすごい。
とりあえず1回出直すか。
そう考えて扉から手を離した瞬間、中から物凄い音がして気がつけば何かが私に覆いかぶさってきた。
「名前さんっ…!!!」
「!?」
ドサドサァッ…と地面に尻もちをつく。
それでも相手は気にすることなく、私の身体を力いっぱい抱きしめた。
「夢みたいだっ…!また貴方をこの手で抱きしめられる日が来るなんてっ…!!」
「き、喜助さんっ…。」
「ずっと会いたかったっ…!」
そう言って私の頬に伸びてくる手。
そのまま近づいてくる懐かしい顔に、私は思いっきり右ストレートをおみまいした。