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嵌められた兎
おなまえは?
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「…そう、では正式に涅マユリ隊長と結婚をする事になったのね。」
「はい…。あ、でも何とか説得して四番隊には残れることになりましたから!」
“これからもよろしくお願いします!” と頭を下げる彼女にこちらこそ、と笑いかける。
ふと扉の奥へ視線をやれば、姿は見えずとも涅ネム副隊長の霊圧がそこにある。
大切な彼女のために、自分の右腕とも呼べる涅副隊長をコチラに寄越すなんて…。
涅マユリという男はどうやら思いのほか過保護で、とても心配性だったようだ。
彼の元上司たちが知ったらどんな顔をするか…ついそんな考えが浮かばずにはいられなかった。
「あ、それから身体の爆弾は外してくれました。もう付けている意味は無いからって。」
「…そう、それは良かった。」
「でも不思議なんですよね。マユリ隊長はどうして私のことを好きになってくれたのか…。」
「あら、何も聞いていないの?」
「聞いても答えてくれなくて…。」
そう言って首を傾げる名前に、思わずクスクスと笑ってしまう。
何年か前に起きた技術開発局での爆破事件。
その時に必死に自分の傷を治した女隊士を自隊に寄越せとうるさかった涅隊長は、きっとその時から彼女の事を気に入っていたのだろう。
それでも一向に頷かない私と、そんな自分の事を避ける彼女に痺れを切らして別方向から接点を作った。
きっと爆弾を身体に仕込んだなんて言葉も得意のデマカセで、必死に掴んだ彼女との縁を逃さないための言い訳だったのだろう。
「まさに…罠に嵌められた兎、ですね。」
「卯ノ花隊長…?」
「ふふ、なんでもありませんよ。」
嵌ったのはどちらか、なんてあの心の狭い男に言ったらどうなるのだろうか。
そんなことを思いながら私は再び目の前の書類へと視線を戻したのだった。
END
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