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嵌められた兎
おなまえは?
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ズキズキする頭を押さえながら布団から顔を出す。
なんだかいつもより体が気怠い。
そう思って何の気なしに視線を横へズラせば綺麗な金色が2つ、私を見つめユラリと揺らめいた。
「…起きたかネ?」
「……お、オハヨウゴザイマス…マユリ隊長…。」
「もう昼過ぎだヨ。全く、事の余韻なんてものもなく寝ついてそのまま昼まで眠るなんて…図々しいにも程があるネ。」
「こ、との余韻…て……。」
そこまで呟いてフラッシュバックする昨日の記憶。
確か飲み会に行って、そこで松本副隊長に色々話を聞いてもらって…。
「(…で、技局に乗り込んだんだったッ…!)」
「おや…?その顔は、昨日の事を全て覚えている顔だネ。説明の手間が省けて助かるヨ。」
「たッ…大変ご迷惑お掛けしましたァッ…!!」
ガバッ…と布団から逃げ出そうとすれば、腕を捕まれそのまま布団の上へと押し倒される。
お互い下着は身につけているものの、身体の至る所にある赤い跡が昨日の夜の出来事が全て現実であると訴えてきていた。
私としたことがお酒の勢いでマユリ隊長と関係を持ってしまうなんて…自分から弱みを晒したも同然じゃないか。
「さて、何か言い残すことあるかネ?」
「せ、せめて苦しまずに殺してくださいッ…。」
「あァ…勿論だヨ。私を誰だと思っているのかネ?」
伸びてきた細い指が私の首元にかかる。
マッドサイエンティストのくせに首絞めて殺すのかよ、ドSかよ。
そう思いながら瞼を閉じれば、恐怖のあまりその目からポロリと涙がこぼれ落ちた。
「ま、マユリ隊長っ……。」
「…全く、本当に手のかかる女だヨ…お前ハ。」
ちゅっ…とその人に似合わない音を立てて、目から零れたそれに口付けが落ちてくる。
それに驚いて目を開けようとすれば何かがそれを塞ぐように落ちてきて、その暖かい何かはそのまま私の唇へと移動する。
そういえば昨日の夜もそうだった。
私が目を閉じる度にそれは落ちてきて、身体の至る所に赤い跡を残していく。
「…わ、たし…勘違いしちゃいますっ…。」
「勘違い?」
「マユリ隊長に愛されてるってっ…勘違いしちゃいますからっ…。」
「フン…もう少し素直になったらどうかネ?昨日も言ったハズだヨ、私を好きになれば後悔する暇もないくらい幸せにしてやる、と。」
「っ……す、きですッ……意地悪くて変な化粧で変人科学者でもっ…!!」
“マユリ隊長が好きですっ…!!”
そう叫んだ私を見下ろして、ひどく満足気に笑った隊長の唇が再び落ちてくる。
結局、私はこの人には勝てない。
この人の手のひらの上で踊り、逃げ回り、そして見事に捕まってしまった。
「異隊願は早めに書くように。それから詰所の荷物は明日にでもネムと纏めてくるんだヨ。」
「え、でも私四番隊から異動するつもりはーーー。」
「ないとは言わせないヨ。」
「えぇ…。(やっぱり早まったかもしれない…。)」
こうして私は再びこの人の罠に嵌められる。
END
(→ おまけ)