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3年経った日に。
おなまえは?
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夜ご飯を食べ終えて、夜の街を歩く。
一護は大学生になり一人暮らしをしているらしく、私は今日もそこで泊まるらしい。
「本当は井上達も会いたがってたんだけどよ、なかなかタイミング合わねぇんだよな。」
「…皆、元気でやっているのか?」
「おぉ。そういや今度チャドの試合があるから皆で観戦に行こうっつう話になってる。来るか?」
「…そこまで暇じゃない。」
「だろうな。」
“副総隊長だもんな。” と笑う一護にコクンと頷く。
こうしてゆっくり歩きながら誰かと話すなんて時間もなんだか久しぶりだ。
「… 名前。」
「ん、なんだ?」
「今まで色々と言ってきたけどよ…、俺はずっと本気だからな。」
「…?」
「…人間になれよ。」
「!な、にをっ…。」
あと少しで一護の家につく、そんな道端で立ち止まりそんなことを言い出す一護に驚いた。
私は死神で、一護は現世に生きている人間だ。
だからこそ今までコイツが言ってきた言葉たちを無視し続けてきたのに…。
「親父の話を聞いた時…俺は、嬉しかったんだ。親父達が出来たなら俺と名前も人間として一緒に生きていけるって。」
「!…バカを言うな。」
「馬鹿を言ってるのは承知の上だ。…だけどな、俺は本気だ。」
「っ…私は、副総隊長だ。」
「藍染の事があってもう3年になる、瀞霊廷だって落ち着いてきてるだろ。」
そう言われ、言葉に詰まる。
たしかにそうだ。
あの時とは違い、私がいなくなったとしても瀞霊廷は正常に回り続けるだろう。
「… 名前。」
「…もし、一護が私を嫌いになったら…?」
「!は…?」
「もし一護が私を嫌いになったらっ、私には帰る場所はないんだぞっ…!?」
ずっと、思っていたことがつい口から零れた。
本当は気がついていた。
人間として生きたいと望む自分の願望に。
人間として、一護の隣で過ごしていきたいと思う自分の淡い恋心を。
「私が一護のために瀞霊廷を捨てたとしてっ、もし一護に嫌われた時っ…私はもう戻れないんだぞっ…!」
「!…んな半端な覚悟でこんな事言ってるかよ。」
「!」
「お前の全部を貰うって俺は覚悟を決めてんだ。手放すわけねぇだろ、お前のこと。」
伸びてきた手が私の頬を撫で、そのまま頭の後ろへと回って髪を撫でる。
それに反応してビクリと身体を震わせれば相手はそのまま私を強く抱きしめた。
「お前のこと幸せにする。…瀞霊廷の奴ら全員の前で誓ってもいい。絶対に、後悔させねぇから。」
「一護っ…。」
「… 名前、俺の事だけ見て生きて欲しい。」
「っ……1回でも浮気したら一護の因果の鎖を私が切るからなっ…。」
「浮気したら、な。」
「一緒に京楽総隊長のとこ行ってっ…。」
「おう、名前を俺に下さいってやつな。」
「浦原喜助に義骸作ってほしいっていうのも私1人で行くのは嫌だからなっ…。」
「わぁってるって。でもとりあえず…今から俺のモノになったって証拠が欲しいんだけど?」
“これでも3年は我慢してんだぞ、コッチは。”
そう言って笑った一護に、私も思わず笑ってしまった。
END
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