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将来の夢
おなまえは?
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「オレンジジュース、まだ好きか?」
「!…ありがとう。」
「おうっ。」
何故か嬉しそうにジュースをくれる彼にお礼を言って口をつける。
1時間以上も夢中で遊んでいたからなのか、オレンジジュースがとても美味しい。
それは相手も同じようで…ゴクゴクっと飲むその姿に、思わずクスクスと笑ってしまった。
「んあっ?何笑ってんだ?」
「いや、切島君おいしそうに飲むなぁって。」
「!…それ、やめね?」
「え?」
「切島君ってやつ。名前には昔みたいに鋭児郎って呼んで欲しい。」
「あ、あー…そっか。ごめん、なんか変わりすぎてたからつい。」
「!俺が?」
「うん。昔より大きくなったし髪の毛赤くなってるし…あと、カッコ良くなってるから。」
「!っ…それは 名前も同じだろっ////?」
「え?」
「っ…体育祭でさ、一回戦目通過者の中に名前の名前見つけて急いで探したんだ。」
そう言われ、そういえば一回戦目だけ頑張って通過したことを思い出す。
一応ね、身体動かすの好きだし。
「顔見てすぐ分かった、名前だって。だけど声はかけられなくてさっ…お前すっげぇ綺麗になってたから、つい躊躇っちまった!」
「!!…いや、そんなこと、ない、よ?」
「あるって!お前が覚えてなかったらどうしようかとか色々考えてさ、けど俺は…。」
不意に顔を背ける彼に、どうしたのかと首を傾げる。
何か言いづらいことでもあるのだろうか?
そう思って口を開きかけたら、相手は意を決したように振り向いて私の手を強く握りしめた。
「俺はずっと会いたかったからっ…!」
「!…あ…うんっ…//////。」
「食堂で見かけて、名前に声を掛けるなら今しかないって思ったんだよ俺っ…///。」
“これでも結構緊張もしたんだぜ?” と笑う彼に、昔の彼の笑顔が重なった。
あぁ、この人…本当にあの時の切島鋭児郎なんだ。
そう思ったら何だかおかしくて、握られていた手をギュッと握り返した。
「私も会いたかったよ、鋭児郎。」
「!」
「だけどっ、まさか本当にヒーロー科にいるなんてビックリしたんだよ?鋭児郎泣き虫だったから。」
「なっ…!」
「この傷作った時も泣いてたもんねっ?」
そう言って彼の右目に手を伸ばせば器用に片目だけ閉じる鋭児郎にまた少しだけ笑う。
初めて個性が出た時につけたこの傷が彼を鋭児郎だと証明しているみたいで、なんだかすごく愛おしかった。
「強くなったんだね、鋭児郎。」
「…約束、だったからな。」
「!…私はヒーローになれないから、私が約束破っちゃうことになるね?」
「それは大丈夫だろ!それに元々は俺が守るって言ってたしっ…つかお前は違うものになって欲しいって言ったろっ…////。」
「え…?」
「!お、覚えねぇのっ…!?」
「うー…ん…。」
覚えていないのかと慌てる鋭児郎に、わざと覚えていないフリをして首を傾げる。
だってあれは、小さい頃の約束だもんね。
「鋭児郎、私、何になればいいのかな?」
「!っ…お前絶対覚えてるだろっ…////!!」
「覚えてない。」
だから今は少しだけ、慌てふためく貴方を見させて。