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運命の相手はアホ可愛い
おなまえは?
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「名前先輩!隣いいっすか!?」
そう言って私の隣にお盆を置く彼を見上げ思わず小さく息を吐く。
だから食堂は嫌だったんだ。
そんな風に思っていれば、そんな私の顔を見て友人たちはケラケラ笑いながら立ち上がった。
「私たち食べ終わったから先に教室戻ってるね!」
「名前は電気君とゆっくり食べな!」
「なっ、ちょっとーーー。」
「先輩方あざーす!!」
一緒に帰ろうとする私の肩を掴んで私の友人たちに笑顔で頭を下げる彼・・・上鳴 電気君はヒーロー科の1年生だ。
新入生の教材受け渡しのフォローを頼まれ、仕方なく出向いた1年生の教室。
そこで目が合った瞬間に、彼は私の手を掴んだ。
“先輩っ!たぶん俺たち運命の相手だと思うんで今から付き合いませんか!?”
「(・・・いつ思い出しても、アホ・・・。)」
「先輩が食堂にいるの珍しいっすね!いつもはお弁当ですもんね!」
「今日は寝坊して・・・。」
「え!お弁当自分で作ってるんですか!?今度俺にも作ってきて下さい!」
「ぜったい嫌。」
「相変わらずクールビューティー!!」
ていうか・・・私がいつもお昼にお弁当を食べてるって何で知ってるんだこの子。
そう思ってチラリと彼を見れば、相手は目が合った瞬間にニカッと笑った。
「・・・上鳴くん。」
「電気でいいですって!」
「・・・・・・電気くん。」
「なんすか名前先輩っ!」
「歯に青のりついてる。」
「!!」
私がそう呟けばハッと自分の口を手で覆う電気君に仕方なく手鏡を手渡す。
普通に考えれば顔も整っているし、個性だって派手で汎用性がある電気系だし・・・。
なにより雄英高校のヒーロー科というスペックなら、私なんかに付きまとわなくても女性なんて選び放題だろうに。
「(なぜ私にこだわるんだろう・・・。)・・・そういえば、体育祭の映像見たよ。」
「えっマジっすか!?いや先輩ちょっとタンマ!!俺メチャメチャ恥ずかしい負け方したんで何も言わないで下さい!!」
「(恥ずかしい負け方した自覚あるんだ・・・。)」
返された手鏡をポケットに戻しながら、恥ずかしそうに顔を背ける電気君に少しだけ頬を緩める。
うるさいし、派手だし、普通に出会っていたら私が最も苦手とするタイプの属性だ。
・・・けど彼の人間性なのか分からないけど、なぜだか少し可愛いかもしれないなんて思ってしまう時がある。
「(なんて、本人には絶対言ってやらない。)女相手だからって油断するお馬鹿さんはプロヒーローになんてなれないよ。」
「だぁぁあっ!分かってます!分かってますから勘弁してくださいっ!名前先輩にだけはカッコ悪い姿見られたくないんすよ俺!!」
「!・・・なら、とりあえず私よりは強くなって貰わないといけないね?」
「!っ・・・それはずるいっすわ・・・。」
そう言って肩を落とす電気君にニッコリと笑って立ち上がる。
まぁ来年からはプロヒーローの事務所で働く事が決まっている私に入学して間もない彼が勝つなんて、しばらくは無理だろう。
・・・それを分かってて言っている私は意地悪だと、自分でも自覚があるからタチが悪い。
「名前先輩っ!」
「ん・・・?」
「俺けっこう本気なんでっ!先輩に勝ったら、その時は結婚前提にお付き合いしてくださいっ!!」
「・・・・・・いいよ、勝ったらね。」
そう言って微笑めば、電気君の顔が真っ赤に染まったため私はまたクスリと笑ってしまった。