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監禁生活3日目
おなまえは?
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「でか…ける…?」
「あァ…。」
「…わかりました。」
コクンと頷いて立ち上がる。
というか、私って監禁されてるんじゃないのかな?
出かけていいの?逃げちゃうかもしれないのに?
「(そもそも、私なんで連れてこられたんだろう…家族もいないから身代金とかも期待できないし。)」
「名前。」
「!今行きます。」
黒霧さんが持ってきてくれたワンピースを着てから扉を開ければ、弔さんが立っている。
上から下まで流れるような視線で私を見てから、弔さんは少しだけ頬を緩めた。
「 名前は昔からワンピースが1番似合ってた。…やっぱり可愛い。」
「!む、昔…?」
「!…なんでもない。行くぞ。」
「えっ…は、はいっ…!」
弔さんの意味深な言葉に首を傾げるが腕を引っ張られてカウンターのあるあの部屋へと向かう。
私たちに気づいた黒霧さんにペコリと頭を下げたら、何故かそのまま黒霧さんの渦に吸い込まれ、目を開けたらそこは外だった。
「っ…まぶしいっ…。」
「…嫌な天気だ…。」
夏の日差しに目を細めれば弔さんは不機嫌そうにパーカーのフードを被る。
やっぱり太陽嫌いなんだ、と納得して笑えば弔さんはコチラをギロリと睨んで私の手を掴んだ。
「行くぞ。」
「はいっ。」
「!…ご機嫌だな、外に出れて嬉しいのか?」
「そうですね、運動不足だったので。それに弔さんと出かけられるならデートみたいで楽しみです!」
「… 名前、能天気過ぎ。」
呆れたように呟いた弔さんが少しだけ頬を緩めていたので、私もまた笑ってしまった。
「というか、今日はどこ行くんですか?」
「…ショッピングモール…?」
「(なぜ疑問系…?)」
「名前の服とか買わなきゃだろ?」
「服なら、私の家にたくさんありますよ?」
「!あのなァ…。お前は今、誘拐されてんだぞ?家なんて行ったら警察とか面倒臭い奴らに見つかんだろうが。」
“めんどくせェ。” と呟く弔さんに、そういえば私誘拐されているんだったと自覚する。
行方不明者、とかになっているのかな…。
でも家族いないから、大学サボってる奴くらいにしか思われてないのかもしれない。
「(そっか。心配してくれる人がいないから私こんなに今の生活に馴染んできてるのか。)」
「… 名前?」
「!…ううん、なんでもないです。」
「……逃げたくなったか?」
私の手を握る弔さんの手に少しだけ力が入る。
弔さんの爪が少しだけ私の手の甲に食いこみ、チリッとした痛みが私の手に走った。
「!」
「名前、逃げたくなった?」
グイッ…と手を引かれ近くの壁に押さえつけられる。
そのままこれでもかと言うくらい顔を近づける弔さんに自分の顔に熱が集まるのがわかった。
大通りじゃなくて良かった。
壁に押さえつけられてるコレは傍から見たらイチャついてるようにしか見えないし。
「名前。」
「か、勘違いです弔さんっ…!」
「は?どこが?」
「逃げたくなった訳じゃなくてっ…!私誘拐されたのに居心地が良いなってっ…。」
「!」
「変、ですよねっ…。」
アハハ、と苦笑いを漏らせば、弔さんは驚いたような顔をしてから満足気な顔をして微笑んだ。