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私の世界
おなまえは?
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チュッ…チュッ…と可愛らしい音を出しながらおでこや頬に降ってくる口付けを無視し続ける。
そんなことで私が誤魔化せると思ったら大間違いだ。
「今日はずいぶんと頑固だ。」
「当たり前です。」
「また名前がいなくなったら困るだろ。」
「そういう問題じゃありません。」
「なら、どういう問題ならいいわけ…?」
抱きしめている私の身体を自分の足を使って固定する弔さんにプイッと視線をそらす。
こうして向かい合わせに抱きしめられて早30分…弔さんの甘やかし攻撃はかなり手強い。
だけど、ここで負けたら今までの努力が水の泡だ。
「百歩譲って発信機を付けるとしても、私には教えてもらう権利があります!」
「忘れてたんだって。」
「そんな嘘は通用しません。」
大体さ…?聞けば私以外はみーんな知っていたというではないか。
なんだそれ、除け者か私は。
弔さんからのプレゼントにルンルンしていた私がバカみたいじゃないか。
「言おうかとも思ったけどさァ、言ったら名前は確実に怒るだろ?」
「時と場合によります!」
「俺的には前科二犯の名前には良い足枷代わりだと思ったんだけどなァ?」
「なっ…!」
「すぐ迷子になる名前が悪い。」
頬を緩めながらそう呟く弔さんに返す言葉が見つからず、ぐぬぬ…とその整った顔を睨みつける。
なんだか前よりも言いくるめられる回数が増えてきた気がするのは気の所為だろうか…。
「それがあれば、すぐに迎えに行けるし。」
「じゃあ1人で出歩いてもいいじゃないですか…。」
「いつ誰が狙ってるか分かんないのにそんな危ない事させられる訳ないだろ。」
「いや、私のこと狙う人なんていませんよ。」
「ふうん…?」
グイッといきなり顎を持ち上げられ視線を上げれば、赤い瞳がギラリと光る。
あ、これはダメなやつだ。
そう思って逃げようと捩らせた身体は弔さんによって簡単に組み敷かれてしまった。
「そんな危機感のない名前には、心苦しいけどお仕置きしないとなァ…?」
「き、危機感は比較的備わってる方だと思いますよ?だって今も全身で危機感感じてますしっ…。」
「こうなってからじゃ、もう遅い。」
わざと耳元で囁かれたその言葉に、私の身体がビクリと跳ねる。
この人に勝てる日なんて来るのかな…。
そんな事を思いながら落ちてくる甘いキスを受け入れて、私は今日もこの人が作り出す世界に酔いしれる。
END
(→ あとがき)