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私の世界
おなまえは?
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シャワーを浴び終わってから、タオルでガシガシと自身の髪の水分をとる。
最近は良いことがなんもねェ。
そう思いながら携帯で時事ニュースをチェックしていれば、その中にあの名前を見つけてその手が止まった。
“ 行方不明だった苗字 名前さんのものだと思われる焼遺体が今日未明、〇〇県の山中で発見された。
指紋等は採取できなかったものの、燃えカスの中から当日彼女が着ていた服の繊維を発見。
体型や骨年齢から見て苗字 名前さん本人のものだと断定し、警察は殺人・死体遺棄事件として捜査を進める方針だ。”
「…ハッ…ンな訳ねェだろ…。」
ガンッと自分の携帯を放り投げる。
アイツが自分の部屋を片付けに行った日、護衛のプロヒーロー達は両者ともに重体だった。
奇跡的に命は取り留めたソイツらが話した犯人の特徴から、2人を襲ったのはヴィラン連合の“荼毘” と呼ばれていたあの男で間違いないと判断された。
…だからこそ、わかる。
名前は生きてる。
あの荼毘っつうやつならプロヒーローは容赦なく殺して燃やすはずだ。
それをしなかった理由はおそらく、名前本人がソイツを止めたから。
「あ、かっちゃんニュースーーー。」
「見たわッ!つか話しかけてくんなクソデクがッ!」
「本当に名前さんなのかなっ…!?」
「聞けやッ!!」
「あっ!デク君!爆豪君も!ニュース見た!?!?」
「み、見たよ!今かっちゃんともその話をーーー。」
「ピーピー騒ぐなクソうるせぇッ!それにアレはアイツじゃねぇわッ!!」
俺の目の前でアワアワとするくそデクと走りよってくる丸顔にイラついてギャンっと怒鳴る。
それに驚いて固まるソイツらの顔がマヌケで、こんな奴らが受かった仮免に自分が落ちたということを思い出した俺は盛大な舌打ちを零す。
トップヒーローになってアイツを受け止める、なんて言ってた自分が恥ずかしい。
「で、でもかっちゃん警察は本人だってーーー。」
「似たような身長で似た様な歳の女なんてそこらじゅうにいるわッ!」
「た、確かにっ…!でも洋服はっ!?」
「知るかッ!普通にアイツから脱がして死体にでも着させたんだろうがッ!」
「で、でも何でそんなことするんっ…?」
「あ゙ぁッ…?おおかたアイツが死んだことになった方がアッチも都合が良いんだろっ…!」
もうこれ以上話すことない…という意味を込めてもう一度舌打ちをし、その場から離れる。
鈍感なアイツらは、きっと気が付かない。
生き延びたプロヒーローとアイツの服を着た焼死体。
それはつまり、アイツ本人がヴィラン連合についていくと決めた決定的な証拠だ。
「いい度胸じゃねェか、クソ名前がよォ…。」
昔から欲しいと思ったものはどんな手段を取ってでも手に入れてきた。
そんな俺が、お前を見初めたんだ。
…トップヒーローになってヴィラン連合をぶっ潰す。
その時にアイツらから名前を奪い返してやればいい。
“さらに向こうへーPlus ultraー” なんて校訓も悪くない。
そう思った俺の口角は、最大限までつり上がっていたに違いない。