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監禁生活2日目
おなまえは?
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朝食を食べ終わると黒霧さんと弔さんは用事があるらしく出かけてしまった。
私はといえば元の部屋に戻され足枷もしっかりと付けられて…要は留守番らしい。
「まぁ、そりゃあそうか。」
なんだか弔さんは怖いけど不思議な人だし、黒霧さんは紳士な人だし…誘拐されたという実感が湧かない。
なんだか家で一人でいるよりもココの方がひどく居心地がいい気がするのだ。
「…まぁ暇なのは嫌だけど。」
携帯もパソコンもない。
埃まみれの本棚には正直触りたくない。
仕方ないかと横になれば、せっかくお風呂に入って綺麗になった髪が埃まみれになった。
「…せめて掃除をさせてくれ。」
きっと弔さんのあの肌荒れだって、こういう不衛生から来ているに違いない。
そう思った私は、意を決して立ち上がった。
黒霧と用事を済ませてアジトへと戻る。
今頃アイツは何をしているだろうか…。
そんなことばかりが頭の中を支配していた。
「私はもう一仕事ありますので。」
「あァ…分かった。」
シュルンッ…と居なくなったソイツを見送ってから中へと入ればアイツがいる奥の部屋からドサドサっ…と何かが崩れる音がした。
一瞬浮かぶ、敵からの襲撃。
それだけはさせないと部屋の扉を勢いよく開けた。
「名前っ…!!」
「!?…お、おかえりなさい弔さんっ…。」
ガンッ…と勢いよく扉を開ければ驚いたように目を見開く名前が居て、周りに人の気配はない。
よく見ればソイツの足の下に本が散らばっていて、先程の音はこれが原因かと小さく息を吐いた。
「と、弔さん…?大丈夫ですかっ…?」
「…何してんだ、そんな格好で…。」
「あ、いや…掃除しようかな、なんて…。」
えへ、と笑う名前の手には汚い布切れが掴まれている。
身につけていたワイシャツは破られおり、チラチラと見え隠れする下腹部に小さく舌打ちをする。
…危機感というものがないのかコイツは。
「…俺さァ、大人しく待っとけっつったよな…?」
「す、すみませんっ…。でも少しでも綺麗にしたら弔さんのアレルギーも良くなるかなってっ…。」
「!…はっ…?」
「目とか首痒そうだし…アレルギーかもなって…。」
ショボン…と肩を落とす名前に、再び息を吐く。
普通、誘拐されてきたら自分の心配するもんだろ。
なのに、俺のために掃除したっていうのかコイツは。
「っ…とむらさんっ…?」
「…もういい。」
「へっ…?」
「眠い…それ捨ててコッチ来い。」
そう俺が呟けばその布を置いて、奥の洗面台で手を洗ってから戻ってくる名前。
そのまま警戒心も欠けらも無いソイツの腕を引けば、彼女は呆気なく俺の腕の中に閉じ込められた。
「!?ちょっ…とむらさんっ…////!!」
「大人しく寝ろ、お前のせいで疲れた…。」
「わ、私何もしてないのにっ…!?」
“横暴だ!!” と誘拐犯に叫ぶソイツを放置して、俺はゆっくりとその意識を手放した。