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おかえり、世界
おなまえは?
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重たい瞼をなんとか持ち上げれば、そこは見慣れた天井だった。
あぁ…またあの人に心配かけてしまった。
そう思ったら悲しくて…自分の眉を寄せてから小さくごめんなさい、と呟いた。
「…なに謝っとんだ、クソ名前。」
「!…あ…れ、爆豪くん?」
「オールマイトなら今は出かけてる。…たぶんすぐ戻ンだろ。」
「学校…は?」
「行ってる。どっかのクソモブ女が倒れたって聞いて来てやったンだろうが。」
小さな舌打ちと共にそんな事をいう爆豪君に思わずクスクスと笑ってしまう。
典型的なツンデレというやつではないか。
男の子のツンデレなんて少女漫画の中だけの存在だと思っていた。
「…オールマイトが。」
「ん…?」
「…オールマイトが、アンタを雄英高校に住まわせるつってた。もうこれ以上危険なことはさせられねぇからって。」
「……そっか。」
「…何を抱えてるのかは知らねぇ。てめぇからしたら俺はガキだし、聞いても答えねぇだろうって事も理解ってた。」
「……。」
「…けど、俺はヒーローになる。…オールマイトも超えるトップヒーローに。…だからその時には…てめぇが抱えてる問題も、てめぇ自身も俺が全部まとめて抱えてやるから、」
“俺を選べや、名前。”
久しぶりの外の空気に、勢いよく背伸びをする。
前に外に出たのはタルタロスに行った時だから、1週間は部屋から出られなかったということになる。
「名前ちゃん、早く乗って!」
「あ、はーい。」
「…本当に一緒に行かなくていいのかい?」
そう言って心配そうに眉を寄せるオールマイトさんに大丈夫だと笑って車に乗り込む。
今日は元々私が住んでいたアパートを片付けに行く日なのだが…オールマイトさんは朝からずっとこんな調子だ。
仕事を休んでついて行くという彼を説得するのに3日も掛かってしまった時はどうしようかと思ったし…。
こうして見送りに来ちゃってる辺り、なんだか私のせいで心配性が悪化してるな…申し訳なく思ってしまった。
「大丈夫ですよ、プロヒーローの人が一緒に来てくれるんだから。」
「でもーーーー。」
「大丈夫ですよオールマイト!俺達がちゃんと彼女のこと守りますから!」
「任せてください!」
プロヒーロー達が私の後に続いて説得してくれ、仕方なさそうに頷くオールマイトさん。
本当は爆豪君も手伝いに行くとゴネたのだが、そちらは私が丁寧にお断りしておいた。
…うん。ていうか普通に考えて私より爆豪君のが危ないからね、誘拐されてるんだからね、あの子。
「何かあったら連絡するんだよ?」
「はい。」
「本当はね、1時間おきにメールしてくれると安心なんだけど…。」
「分かりました。」
「…やっぱり私もーーー。」
「オールマイトさん。」
「……すまない。」
「終わったら雄英高校にそのまま向かいますから。」
そう言って私が微笑めば、オールマイトさんも嬉しそうにコクリと頷いた。