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変化する世界
おなまえは?
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“なァ・・・名前、俺のモンになれや。”
そう囁いた爆豪くんの赤い瞳はギラリと光っていた。
それは弔さんが私を求めていた時と同じ、欲に飢えた男の人の瞳。
まるで可愛げのない弟のようだと思っていた彼からのその言葉は、私にとって予想外過ぎるものだった。
「(・・・のに、思い出すのは弔さんだ・・・。)」
弔さんと同じ、赤い瞳。
同じはずなのに・・・私が求める視線はこれじゃないと脳が、心臓が訴える。
「私は・・・私がわかりません・・・。」
「!・・・爆豪少年の提案の事かい?」
「もう、聞いたんですか?」
「あァ、塚内君から連絡が来ていてね。」
“驚いたよ。” と頬を緩めるオールマイトさんに私も同じだと俯く。
さすが、爆豪くんだ。
爆豪くんが帰ってからまだ数時間しか経っていない。
なのにもうオールマイトさんにまで話が通っているなんて・・・出来る男は仕事が早い、というのは本当なようだ。
「私は、君がそれを望むならそれもいいかもしれないと思ったよ。一番近くで君を見守れるからね。」
「でも・・・私が雄英高校に行ったとしても、何もできないですよ?」
「事務とかいいんじゃないか?校長先生の秘書なんかも出来そうだ。名前ちゃんは要領がいいからね。」
「そんなこと言って・・・オールマイトさんは昔から私を買い被り過ぎです。」
「そ、そうかな?」
「そうです。」
そう言って思わず笑えば、オールマイトさんも笑う。
この人がいてくれるなら、いいかもしれない。
爆豪君に、緑谷君やお茶子ちゃんもいる。
・・・きっと楽しい毎日になる。
「(そしたらきっと、弔さんも黒霧さんもトガちゃんも・・・もう会うことはない。)」
「・・・名前ちゃん。」
「はい、なんですか?」
「・・・言おうか迷ったんだ。私は会わせるべきじゃないと思っているから。」
「!・・・オールマイト、さん?」
ゾクリと嫌な予感がする。
オールマイトさんが今から提案しようとしている事はきっと、ヴィラン連合についてのこと。
現実から目をそらそうとしていた私にとって、聞きたくない現実世界の話。
「・・・ALL FOR ONEが、君に会いたがっている。」
「!っ・・・・・・。」
「私は勧めない。だけど、今の君を見ているといつか壊れてしまいそうで不安になる。
・・・君が前に進むために必要な事なら、アイツに会わせることができる。」
拳を握りしめて話すオールマイトさんに、私はどうしたらいいのか分からず俯く。
ALL FOR ONE・・・は、つまり“先生”のこと。
私と弔さんの繋がりを知る、数少ない人物。
「少し、考えてから決めてもーーー。」
「いえ・・・会わせて、下さい。」
「!・・・わかった。ただし、私と一緒だ。いいね?」
「・・・はい。」
コクリと頷いた私を、オールマイトさんはいつもと同じように優しく抱きしめた。
→ To be continued.
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