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変化する世界
おなまえは?
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暗い部屋の隅に蹲る小さな男の子。
見慣れた色素が薄いウェーブかかった髪に手を伸ばしても、それは空を切るばかり。
どうにか気づいて欲しくて声を出そうとしても、何故か声は音になる前に消えていく。
そんなことをしていれば、その子の隣に小さな女の子が駆け寄ってきた。
「とむらくんっ・・・?」
「っ・・・名前っ・・・?」
「泣いてるのっ・・・?どこか痛いのっ・・・?」
「っ・・・くるしいんだっ・・・かゆいしっ・・・身体中が熱くてくるしいっ・・・。」
「!・・・ど、どうしようっ・・・。」
ワタワタと焦るその子の服をキュッと握る“とむらくん”と呼ばれた男の子。
助けを求めるような・・・そんな視線に気づいた女の子は、男の子に手を伸ばしギュッと抱きしめた。
「大丈夫っ、大丈夫だよとむらくんっ・・・私がずっとそばに居るからっ・・・!」
「ほんとっ・・・?ずっと、一緒にいてくれるっ・・・?」
「うんっ、約束っ。」
勢いよく起き上がれば、ポタポタッ・・・と目元から布団の上に落ちる涙。
頬に手を添えれば、流れていた涙で指先が濡れた。
「っ・・・弔さんっ・・・。」
ぎゅうっと痛む胸を押さえれば、自分の心臓がドクドクと激しく脈打っているのが分かる。
これが、私の忘れていた真実・・・。
今まで他人事だった記憶が自分の中に溢れて、震えと涙が止まらなかった。
「っ・・・会いたいっ・・・弔さんにっ・・・。」
自分の身体をキツく抱きしめてみても、彼のぬくもりを感じることは出来ない。
彼が付けてくれた傷跡も内出血も、もう薄くなっていて夜の闇の中では確認できない。
呼吸が浅くなる。
酸素を求めるソレと同じように、死柄木 弔という男を身体が求めているのが分かった。
「っ・・・・・・とむらさっ・・・。」
“私はもう必要ないのっ・・・?”
そんな私の言葉は、夜の闇に溶けていった。