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監禁生活5日目
おなまえは?
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“君は、両親の個性を覚えているかな?”
そんな会話から再開された話。
小さい頃の記憶なんてほとんどなくて、覚えているのは両親の笑った顔だけな私が個性なんて知るわけもなかった。
「わかり、ません・・・私も、個性がないし・・・もしかしたら無個性だったのかもって・・・。」
“・・・そう、誰かに聞いたのかい?”
「いえっ・・・自分で思ってましたっ・・・。」
教えてくれる人なんて、いなかったし。
そんな言葉は飲み込んだ。
そんなことをこの人に言ったとしても意味をなさないことを分かっているから。
“・・・君の母親はとても特殊な個性を持っていた。そしてその個性はしっかりと受け継がれている。”
「!・・・個性が、あるんですかっ・・・?私がっ・・・?」
“そうだよ、君にも個性はある。・・・知りたいかい?”
「・・・はい。」
“君の個性は、個性強化。”
「・・・・・・個性、強化・・・?」
ぱちくりと瞬きをする。
そんな個性、聞いたこともなかった。
個性が個性強化って、どういう意味なのだろうか。
そう思ってモニターを見つめていれば、“先生” はモニターの向こう側でクスリと笑った。
“個性強化といっても、君自体の個性じゃない。君は他人の個性を強化できる。”
「!・・・それは、えと・・・人の個性を強くできるってことですか?」
“そうだよ。人を助ける、とても強い個性だ。”
「・・・人を、助ける・・・。」
俯いて自分の手をキュッと握る。
今まで無個性だと思って生きてきた私が、そんなこと言われるのは少しだけくすぐったい。
私も、人を助けられるのだろうか。
・・・もしたしたら、弔さんの力になれるのだろうか。
「・・・・・・あの、それって・・・その個性ってどうしたら使えるんですかっ・・・?」
“簡単だよ、この人の力になりたいと心から願って、その人に口付けをするだけさ。”
「!えっ・・・?」
“ただ、助けられるのは1人だけだ。1度決めたら、それ以外の人は助けられない。”
「あの、それって・・・キスしたらっ・・・その、なっちゃうもの、なんですかっ・・・?」
“・・・まるで、誰かと経験済みみたいな言い方だね?”
「へっ・・・////!?いやっ、そのっ・・・///!」
ふと頭の中に弔さんの顔が浮かんで顔が熱くなる。
言えないっ・・・!!
弔さんとキス以上のことをしちゃってるなんて絶対に言えないっ・・・!
“まぁ、あまり突っ込まないようにしよう。・・・個性の発動には条件が2つある。自分と相手がその個性を理解していること。そして口付けをすること。
・・・今までしていたとしても名前が個性を理解していなかったから、個性発動はしていないことになる。”
「あ、なるほどっ・・・。」
“・・・私はね、君のその力を弔のために使って欲しいと思っているんだよ。”
「!!」
“そのために、君を弔に引き合わせた。”
先生のその言葉にビクリと身体が跳ねる。
私と弔さんが出会えたのは、この人がいたから。
・・・この人が、私の両親を殺して私を連れ去ったから。
「・・・・・・。」
“・・・もし名前が個性を発動させたら、相手の個性は強化される。そして・・・それは君が死ぬまで続く。”
「死ぬ、まで・・・。」
“そして、相手が死ねば君も死ぬ。”
「!え、あの・・・私が死んだらっ・・・?」
“君の個性の力がなくなり、個性は元の強さに戻る。だけど、相手が死ぬことは無い。”
「・・・わかり、ました。」
“よく考えて使うんだよ、名前。これはいわば人生で1回きりの契約だ。”
「・・・・・・はい。」
私がコクンと頷けば、先生との通信がブツリと切れた。