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監禁生活5日目
おなまえは?
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黒いモヤが晴れて、辺りを見回せば目の前にモニターが固定されていた。
その前に椅子が置いてあり、いつの間にか現れた黒霧さんが私に座るよう促した。
「あの・・・。」
“やぁ・・・久しぶりだね、名前。”
「!?」
黒霧さんに声をかけようとしたらモニターから聞こえてきたどこかで聞いたことある声。
それに驚いて勢いよくモニターに向きなおれば、モニターは砂嵐と“ SOUND ONLY ”という文字が映っている。
一応大学に行けるくらいの学力は持っている私は、その字を見てこのモニターが意味をなさないということを理解した。
“あぁ、すまない。今の状態では姿を見せることが出来なくてね、声だけの会話になることを許して欲しい。”
「あ、はい・・・。」
“大きくなったね。それにとても綺麗になった。”
「ありがとう・・・ございます・・・。」
“あぁ、私のことはまだ思い出していないのか。・・・そうだな、私のことは先生と呼んでくれ。”
「先生っ・・・?」
そう呟いた瞬間、ゾクリと鳥肌が立った。
心臓がドクドクと脈打つ。
なんだ、これ・・・何かが私の中を蠢いている。
「っ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・。」
“ 名前、落ち着いて・・・大きく息を吸って、そして大きく息を吐くんだ。大丈夫、私がついているよ。”
「っ・・・・・・。」
後ろから黒霧さんが背中を撫でてくれる。
“先生” の言う通りに深呼吸をして肺に酸素を送る。
それを何度か繰り返して、ようやく息ができるようになった時・・・その声の主のことを思い出した。
「・・・夢で、見ましたっ・・・小さい男の子がいて・・・小さい頃の私がいて・・・貴方がいたっ・・・。」
“素晴らしい。ではその小さい男の子の事は覚えているかい?”
「覚えてませんっ・・・だけど、・・・その、弔さんに似ていました・・・。」
“・・・その通り。君と弔は、昔出会っているんだよ。”
その言葉に、やっぱりそうなんだと納得する。
私は、昔から彼を知っていた。
・・・あの夢の中の子供たちは、私と弔さんだった。
「(嬉しい・・・。)」
“さて、名前・・・ここからが大事な話だよ。”
「!・・・は、い・・・。」
“君は、弔の事が好きかい?”
「えっ!?・・・あ、はいっ・・・////。」
“それは良かった。弔は小さい頃にとある理由で家族と別れてしまってね・・・寂しい思いをしていたんだ。”
「!・・・はい。」
“だから私は、君を連れてきた。”
「つれて・・・?」
“あぁ。・・・君の両親を殺してね。”
「・・・・・・え・・・?」
ゾワリ・・・と身体の中の何かが揺れる。
両親を殺した、と言ったのだろうか・・・今。
ふと蘇る血だらけの部屋の記憶。
その部屋で私に手を伸ばした・・・男の人。
「ぁっ・・・ぅ、そっ・・・。」
「名前さん、落ち着いてください。もう一度息をして、私がついていますよ。」
「っ・・・。」
再び私の背中を撫でてくれる黒霧さんに助けを求めるように視線を投げる。
だけどこの場から連れ出してくれる様子はなく、ただただ私の背中を撫でてくれるだけだった。
「(きっとっ・・・この人の話はちゃんと聞かなきゃいけないんだっ・・・。だから黒霧さんはココに連れてきてくれたんだっ・・・。)」
“ 名前、続きを話してもいいかい?”
「!っ・・・は、い・・・。」
私がコクリと頷けば、“先生” はまるで子供を褒めるように優しい声でえらいね、と呟いた。