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監禁生活4日目
おなまえは?
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次に起きた時には、もう太陽が真上まで上がっていた。
弔さんは先に目を覚ましていたらしく、私が起きると私を抱きしめてから起き上がった。
「今日は朝メシここで食え。またアイツらが来て色々話さなきゃいけねェ。」
「!…はい。」
大人しくコクンッと頷けば、朝ご飯を持ってきてくれる弔さんにお礼を言う。
それに少しだけ微笑んだ弔さんは私の額に口付けてから部屋を出ていった。
「…いただきます。」
なんだか、昨日は色々あった。
だからこうして1人でゆっくり出来るのはありがたい。
「…色々、考えなきゃ。」
そもそもだ、私がここに来たのは黒霧さんに声を掛けられたからだった。
“ヴィラン連合のために。” と言われ、気がついたらココで眠っていた。
「(私は身寄りがないし、私を誘拐したからといって彼らが得られるものはない。だけど…もしあの夢が過去の話だったら…?)」
私は、小さい時の記憶が無い。
というより、2年ほど記憶が抜け落ちていると言った方が正しいだろうか。
記憶があるのは孤児院に引き取られてからで、それより前に何処に居たのか覚えていなかった。
「……。(病院の先生には大きなショックを受けた事で抜け落ちたって言ってた…。てっきり両親が死んだ事をさしてるのかと思ってたけど…。)」
もし、夢が本当の過去なら。
あの男の人は “連れてきた。” と言っていた。
話し相手にするためにと。
本当に私があの女の子で、弔さんが男の子なら…私と弔さんは昔出会っていたことになる。
「っ…そんなこと、あるのかなぁっ…。」
そうなると、全ての辻褄があってしまう。
わざわざ私が連れてこられた理由も、誘拐されたここの居心地がいいのも、弔さんの優しさも。
…ぜんぶ、納得出来てしまう。
「……話さなきゃ、だよね…。」
記憶が戻ったわけじゃない。
でも、なぜか確信している私がいる。
あの人のそばに居ることが私の幸せだと。
あの人に “ただいま。” と言わなきゃいけないと。
「(弔さん…早く来ない、かな…。)」
食べ終えた朝ご飯の食器を見ながら、私は自分の脚を抱えて座り込む。
…その足からいつもの足枷が外れていることに見て見ぬふりをして、私は静かに目を閉じた。