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唯一愛した男の話。
おなまえは?
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次の日、主が死穢八斎會に来た。
久しぶりの主にソワソワして、いつもならクロノさんに任せるお茶出しもやらせてもらった。
「!… 名前、元気にしてるか?」
「はい、主様はいかがですか?」
「あァ…悪くねェ…。」
お茶を出した私の髪をサラリと撫でる主様。
いつもは人前でこんなことしないのに…急にどうしたのだろうと思っていればピリピリとした殺気が私たちに突き刺さった。
「…おい、名前。」
「!はい、若様。」
名前を呼ばれそちらに向かえば、若様はどこかイラついたように主を睨む。
急にどうしたのだろうかと眉を寄せれば、若様は私をチラリと見ると主に向かって口を開いた。
「さっきお前が言っていた話、本当にいいんだな。」
「あァ…構わないぜ?」
「…わかった。」
ピリピリと殺気を出したままの若様と、面白くなってきたと言わんばかりに頬を緩める主。
私が来る前になにか大事な話がされていたのだろうかと首を傾げれば、次の瞬間私の身体はふわりと持ち上げられていた。
「!?あ、えっ…?」
「交渉成立だ、死柄木弔…。約束通りコイツは死穢八斎會が貰い受ける。」
「…だとよ。名前、今日からお前は正式に死穢八斎會の組員だ。」
「!あ、主…?」
“寂しくなるな。” と口角を吊り上げる主と、それを睨みつける若様。
何が起きているか分からない私を抱え、若様は主のいるその部屋から出てしまった。
「わ、若様っ…?」
「っ…騒ぐな、大人しくしてろ。」
「!…は、い…。」
長い通路を歩いてたどり着いたのは若様の自室。
先日変えたばかりなのかというくらい綺麗な畳と小さな机がある少し殺風景な部屋。
どうしてこんな所に来たのかと首を傾げていれば、若様はそんな私を床に下ろしてそのまま私の上に覆いかぶさってきた。
「若さまっ…?」
「名前っ…お前は大人しくしておけっ…。」
怒りなのか悲しみなのか分からないけど、何かのせいで震えている若様。
潔癖症なのに、私に触れても大丈夫なのだろうか?
そんな事を考えていた私の唇は若様によっていとも簡単に奪われた。
「っ…ぁっ…はぁっ…わかさっ…まっ…////!」
「チッ…煽るなっ…!」
正直、初めてというわけじゃない情事。
だけど若様が触れるたびに暖かくなる身体と心臓に、こんなことは初めてだと思った。
この人の腕に抱かれる度に、私はこんな暖かくなるのだろうか…?
そんなことを考えていた私は、その時だけは主の事など考える余裕もなかった。