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唯一愛した男の話。
おなまえは?
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死穢八斎會に来て1週間。
私はひたすら掃除・洗濯・炊事と、雑務をこなしていた。
元々男手ばかりの家だ、私のような女手は至る所で歓迎された。
「…おい、埃が落ちてる。」
「!オーバーホール様、おはようございます。」
「…その名前、長いから止めろ。」
「!…では、若様?」
「フッ…まぁ、悪くない。」
最初はヴィラン連合からの出向だからと警戒していたオーバーホール様…基、若様も今では殺気立たなくなった。
どうやら私の掃除がお気に召したようだ。
「名前さん。」
「!こんにちは、クロノスタシス様。」
「クロノで結構。」
「はぁ、ではクロノ様。」
「あんなぶっきらぼうにしてやすが、随分とアンタの事を気に入ったみたいだ。ヴィラン連合なんて辞めてウチ来たらどうだい?」
“働き者は歓迎するよ。” と優しい声で私に語りかけるその人にペコリと頭を下げる。
素敵なお誘いだが、それは出来ない。
「私は、死柄木弔には逆らえませんから…。」
「!…そうかい、そりゃあ残念だ。」
そう言って肩をすくめるその人にもう一度頭を下げて、次の仕事へ向かう。
今までずっと闇の中を生きてきた私にとって、この生活はまるで、ぬるま湯に浸かっているみたいな…そんな気持ちだった。
「(そういえばこの1週間、血見てないな…。)」
死穢八斎會は存外、平和主義なのだろうか。
どうやら親父さんも病で床に伏せているらしいし、若様も目立って暴れ回っているわけじゃない。
「(…平和、だな…。)」
そんな呑気な事を考えていた私は若様達がコソコソと話している内容など、知りもしませんでした。
「若頭…。もしかしたら彼女、死柄木弔になにか脅されているのかもしれやせんね。」
「…何故そう思う?」
「いやぁ…何となくですかね。」
「……物事を推測で判断するな。」
「はい、すいやせん。」
「アイツのことは俺が判断するまでそのままにしておけ。…いずれ死柄木弔の元へ返す事になる。」
「…はい、若頭。」