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ド天然My HERO
おなまえは?
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“エンデヴァーが公式発表!!2人は結婚間近!!”
“今年中に入籍か!?”
そんな文字たちが並ぶ号外を見て、私はその場にドサァッと倒れ込んだ。
まさかあの後エンデヴァーさんが生放送の番組に出るなんて考えもしなかったっ…!
しかもあのエンデヴァーさんがちょっと嬉しそうに “応援する。” なんて言っちゃったもんだから、世間がすっかり応援ムードだ。
「なぁ苗字、俺たち結婚するのか?」
「っ…するわけないでしょっ!焦凍君にはもっと可愛くて品行方正な女の子と付き合って貰って美形カップルとして売り出して1億円くらいの結婚式を生中継するんだからっ!!」
「…美形カップル?」
「そうだよ!?」
“それが私の人生プランだったんだよ!!” と半泣きで訴えかければ、あのクールな焦凍君が少しだけオロオロと私を宥める。
執務室を人払いしておいてよかった。
いつも冷静をモットーに仕事をしている私が、本当はとんでもなく感情的な性格だと同僚たちにバレなくて済む。
「そんなに取り乱した苗字見るの久しぶりだ…。」
「ご、ごめん八つ当たりしたっ…。」
「…懐かしいな。」
「え…?」
「俺が独立するって言った時も、お前は残れって言った俺にそうやって取り乱してただろ?」
「それはっ…焦凍君をトップヒーローにするのが学生時代からの目標だったからっ…。」
「…俺は、嬉しかった。」
そう言ってフワリと微笑む焦凍君に、取り乱した自分が恥ずかしくなってフイッと顔を背ける。
そうだ、彼をトップヒーローにする。
そのために頑張ってきたのだ。
ここで諦める訳にはいかない。
「私に任せて焦凍君。」
「!」
「絶対、焦凍君に素敵な結婚させるから。」
「…あぁ、俺もだ。1億円の式は難しいかもしれないけど親父に頼めばなんとかなる。生中継で苗字の花嫁姿を晒すのは嫌だけど、その方が変な虫がつかないからいいかもしれないな。」
「……ん?」
「あと、俺は和装もドレスどっちも見たい。」
「……んん?」
「子供は3人がいいな。」
「ちょ、ちょ、ちょ、落ち着け。」
微妙に食い違う会話に急いでセーブをかける。
さっきから焦凍君が変なことを言っている気がするのは気の所為だろうだろうか…?
天然が勢いよく空回りしてないですか?
「しょ、焦凍君…?」
「ん?」
「つかぬ事お伺いしますがっ…あの…結婚、するつもりなのかなっ…?」
「?…あぁ。」
「だ、誰と…?」
「苗字以外に誰がいるんだ?」
「で、でもっ…あの、えっ…?わ、私たちって付き合ってたりとかっ…?」
「…何言ってんだ苗字。俺が独立する時に“隣にいたい。”って告白してくれただろ?」
「え…?あ、え…?」
ド天然節に圧倒されて思わず脳が動きを止める。
つまりこの2年間…彼は私を仕事のパートナーとしてだけではなく、恋人同士だと思っていたということだろうか…?
あれ、そんな空気あった?
私が素晴らしく鈍感だっただけ?
「…あの、えと…あれ?私たち恋人らしい事とか…しましたっけ?」
「…結婚するまで手は出さねぇ。」
「紳士っ…!」
“焦凍君のそういう所も私好きだよ!!”
そう叫んだ私は、このまま結婚するのもいいかなと思ってしまいました。
「…ちょっと待て。あのSNSは?」
「苗字は俺の人生のパートナーだろ?」
「(確信犯だった…!!)」
END
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