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数年越しの許嫁。
おなまえは?
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とりあえず放課後に待ち合わせをして、学校から少し離れた喫茶店に入った。
と言っても数年ぶりの再会…しかもあの、最悪の出会い以来なのだ。
話が弾むわけもなく、入店して10分間はお互い無言のまま過ぎてしまった。
「っ…あの、体育祭おめでとうっ…。」
「!…あぁ、ありがとう。」
「決勝は惜しかったよねっ…!やっぱり爆豪君は強いよねっ。私、入試会場が彼と一緒だったから知っててっ…。」
「!…そう、だったのか…。」
「あ!いやっ…!別に爆豪君を特別応援してた訳じゃないんだよ!?そ、それに私なんか1回戦目で負けちゃってっ…。」
本当は轟君にバレることを恐れてわざと負けたのだけど、それはさすがに言えない。
にしても、話があると呼び出した割に全然喋らない彼に私はどうしたらいいのだろうか…。
なんでこんな気を使っているんだ私…。
「あの、さ…。」
「えっ…はいっ…!」
「…初めて会った時、その…悪かった…。」
「!…えと…、はいっ…。」
「もちろんすぐに許してもらえるとは思ってねぇ…。だからこれから償わせてほしい。」
「へっ…あ、はい…?」
ガバッ…と頭を下げる轟君に、とりあえず頷く。
だって頭下げてるし、これで許さないって言えるほど私の肝は据わってないし…。
それに同じ学校のヒーロー科だとしてもそこまで会ったりしないだろうし…それにお互いもう前に進むべきだし…。
「(謝って貰えたら、なんかスッキリしたし…。)」
「苗字…?」
「あ、ううんっ…。こちらこそ、これから同じ学校のヒーロー科の仲間としてよろしくね?」
「…おう。」
どうにか和解ができた。
そんなホッコリとした気持ちでその日の私たちは別れた。
そう、私は気づかなかった…。
あの時、轟君が言った “償い” がどういう意味だったのか。