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ド天然My HERO
おなまえは?
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次の日の朝、ひたすら鳴り響く着信音に叩き起された私の機嫌は最悪だった。
時計を見れば朝の9時。
何かあれば電話してこいと言ったのは私だが、9時といえば始業時間じゃないか。
始業早々に私に連絡するほどの事件が事務所で起きる訳が無い。
そう思いながら通話ボタンを押せば、繋がった瞬間スタッフの泣き叫ぶ声が私の鼓膜を揺らした。
“たっ助けて下さい苗字さんんんっ…!!”
「……なに…。」
昨日飲んだお酒のせいでガンガンする頭を押さえつつ身体を起き上がらせる。
この声は昨日のSNS担当の子だろうが…朝イチで彼女の高い声を聞くのはなかなかにしんどい。
眠い目をこすりながらそんなことを考えていれば、彼女が今度は電話越し謝り始める。
“もうダメですっ…!ごめんなさい苗字さんっ!私は責任取って死にますぅっ!!”
「あ、朝から物騒なこと言わないで…。何があったのかちゃんと説明してくれる…?」
“っ……てるんですっ…。”
「え?なに?」
“炎上してるんですっ…!SNSがっ…!!”
「………えん、じょー…?」
ブチリッ…と通話を切り、急いでSNSを開く。
そのまま事務所用のアカウントにログインすれば、信じられないくらいの通知とコメントが昨日の投稿についている。
しかも、それは絶賛増加中。
一体なにが原因なのかと投稿記事画面に飛んだ私は、その記事を見て思考回路を停止させてしまった。
「っ……なに、これっ…。」
そこには “俺の最高のパートナー。” というコメントと共に映し出される女性の手とPCの写真。
それは紛れもない、私の手と私のPCの写真。
あぁ…ネイルもっと綺麗にしておけばよかったな…という僅かな現実逃避は、今も増え続ける通知で呆気なく崩された。
轟 焦凍という男を、私はなめていた。
そう思いつつ…私は休日出勤をするためにベッドから這い出てお風呂場へ向かう。
とりあえずシャワーを浴びて頭を働かせなければ。
「(焦凍君だもんな…そうだよな。確認しなかった私がいけない。彼女も焦凍君も悪くない。これは明らかに私の説明不足と確認不足が招いた事だ…。)」
こんな事なら昨日あんなにお酒飲むんじゃなかった。
後悔は先に立たず。
そのことわざの意味をここまで噛みしめたのは私の人生において初めての事だった。