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初恋の人
おなまえは?
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「名前。」
「!ごめん、遅れたっ?」
「いや、時間ぴったりだ。」
「ん。・・・それより仕事大丈夫だった?」
「あぁ、問題ない。あの昨日の見合い相手も正式に断れたしな。」
「そっか。・・・とりあえず立ち話だとアレだしどこかゆっくり話せるところに移動しようか?」
「あぁ。」
そう頷いて当たり前のように私の手を取る轟に何を考えているのだと見上げる。
が、相手はそんな私も気にせず、スタスタをどこかへ向かって歩き始めてしまった。
「ちょ、轟っ・・・?」
「焦凍。」
「はっ・・・?」
「あ、でもバレると面倒だな・・・あだ名とかないか?」
「え、と・・・しょうくん、とか・・・?」
「!・・・おう。」
バレると困る、という言葉に仕方ないと適当に付けた名前を呼べば相手はフワリと笑う。
その笑顔が相変わらず綺麗過ぎて顔をそらせば、相手は立ち止まり不思議そうに私の顔を覗き込んだ。
「名前?」
「ちょっ・・・待って今は顔見ないでっ・・・。なんかちょっと恥ずかしっ・・・////。」
「・・・可愛い。」
「!かわっ・・・/////!?」
「・・・とにかく行こう。」
グイッ・・・と再び手を引かれ始めて、その大きくなった背中を見ながら歩き続ける。
というか・・・こんな夜に轟は私を何処に連れていこうとしているのだろうか?
そう思っていれば轟が立ち止まったため私もつられて立ち止まり、その目の前のビルを見上げた。
「・・・ここって、なに?」
「事務所。」
「事務所?」
「親父の事務所。」
「・・・え、エンデヴァーの・・・?」
「あぁ。親父がお前をサイドキックとして雇うって言って聞かねぇから連れてきた。」
「・・・・・・はぁっ!?」
平然とそんなことを言ってのける轟に、今なんていったんだと肩を掴んで揺らす。
あのエンデヴァーが私を雇うって言ったのか。
いや私の個性、炎系じゃないぞ。いいのか。
そう考えて轟の顔を見上げれば、轟は少しだけ眉を寄せてからその綺麗な顔を私に近づけチュッ・・・と軽く口付けた。
「・・・・・・なぁっ////!?」
「昨日も思ったけど・・・名前が親父の話聞いて嬉しそうな顔するの、なんかムカつくな。」
「な、なっ・・・はぁっ////!?」
「今は親父のサイドキックだけど、俺が独立する時には連れていくから安心しろ。」
“よし、行くぞ。” と私の腕を引いてビルの中に入る轟に、私の頭はクルクルと無駄な空回りを繰り返す。
なんでコイツは私にキスをするのだろうか。
キス魔か、実は天然装ったキス魔なタラシか。
「いつからそんな女ったらしになったっ・・・!?」
「女ったらし・・・?」
「だってっ・・・き、キスっ・・・したじゃんっ!!」
「あぁ・・・別に問題ないだろ。結婚するなら。」
「えっ・・・は、?」
「昨日言ったろ、アメリカもプロヒーローも捨てて俺を選んでくれるって。嬉しかったんだ。」
“だから名前は俺が幸せにする。”
そう言って微笑んだ轟に、不覚にも私は人生で初めてトキメキというものを感じてしまいました。