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メンヘラ女子になってみた!
おなまえは?
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「って訳でね!私今からメンヘラ女子になるよ!」
「メンヘラ女子…?」
ドォンっ…という効果音が付きそうなくらい堂々と宣言すれば、私の恋人である焦凍はポカン…と固まってしまった。
「焦凍、メンヘラ女子って知ってる?」
「あ、あぁ…前に冬美姉さんが話してたから…。」
「冬美さんもメンヘラ女子なの?」
「いや、友達にそういうのがいるって話してたのをただ聞いてただけだ。」
「そっかぁ!あ、私はね、皆から女子力を上げるためにやってみたらって言われたの!」
「(コイツ…また意味の分からないことをクラスの女子に焚き付けられてきたな…。)」
“頑張るね!” とガッツポーズを決める私に何故か自身の頭を抱える焦凍。
どうしたのかと尋ねてみても、相手は困惑したように眉を寄せてから小さく溜め息をつくだけだった。
「焦凍?」
「…俺はいつもの名前がいい。けど、お前がやりてぇなら俺は見守る。」
「!ありがとうっ焦凍!」
「で、具体的にどうやってメンヘラ女子になるんだ?」
そう首を傾げた焦凍に、次は私が固まる。
寂しがり屋で甘えん坊な人って…、一体何をしたらいいのだろうか…。
とりあえず甘えればいいのか?
甘えるって、なんだ?
ドラマで見たやつすればいいのか?
「…おい、名前?」
「(とりあえず、やってみよう。)しょーと。」
「ん、なにしー…て……!?」
「焦凍寂しいよー。」
私を心配して近づいてきた焦凍の手を取り、自分の頬をスリスリと擦り寄せる。
そのまま寂しがり屋アピールというものもセットでやってみたら、焦凍はびっくりしたようにその綺麗な目を見開いた。
「…焦凍?」
「… 名前…なに、してるんだ?」
「えと…甘えてる…?あ、あと!寂しがり屋なアピールも一緒にしてる!」
ドヤァっともう一度無い胸を張れば、隣の焦凍が今日一番の溜め息をもらす。
それから私が掴んでいた手で自ら私の頬を撫でながら、ニコッ…と少しだけ微笑んだ。
「一つ聞いていいか?名前の中にあるメンヘラの概念ってなんだ?」
「!ええ、と…すっごく寂しがり屋で、甘えん坊な人って聞きました!」
「……それだけ?」
「えっ!?ち、違うの!?」
ガンッ…とショックを受ければまたも頬を緩める焦凍。
まったく、イケメンは何してもカッコイイな!
これが私の彼氏とかすごくない!?
そんなのんきなことを考えていれば、焦凍が私の肩をグイッ…と押して、気がつけば私は畳の上にゴロンっと倒されてしまっていた。
「仕方ねェから、俺が教えてやる。」
“メンヘラがどういうものか。” と微笑んだ焦凍の笑顔はいつもの優しい笑顔ではなく、裏のある怖い笑顔でした。