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怪物さん。追
おなまえは?
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名前を呼べば、相手が近づいてくるのが分かる。
1歩歩くごとにパキッ…となるその音すらも懐かしいと少しだけ頬が緩まった。
「… 名前。」
「久しぶりだね…焦凍。」
どんな顔で私を見ているのだろう。
声色では分からないがきっと怒っている、もしくは憎んでいるかもしれない。
彼が憧れたヒーローを引退させたヴィラン連合を、彼はきっと殺したいくらい憎んでいるはず。
そう思ったのに、気がつけば私は後ろからキツく抱きしめられていた。
「…まさかと思った…。こんな所にお前が1人でいるわけねェって…でも確かめたくて、お前だったらどんなにいいかと思ってっ…。」
「っ……。」
ドクンッ…と心臓が跳ねた。
やめて、やめて、やめて。
この1ヶ月、私がキツく蓋をしたその気持ちが身体中で沸き立つのが分かる。
おねがいだから、言わないで。
「会いたかったっ…。」
「!っ…しょう、とっ……。」
気がつけば凍らされていた足元も溶けていた。
なのに私は動けなくて、そんな私を知ってか知らずか…焦凍は私の向きを変えると、その綺麗な目で私の顔を捉えた。
「名前っ…。」
「んっ…しょうとっ…?」
焦凍の手が私の首筋を撫でる。
あの林間合宿の日に見せた噛み跡を撫でるように優しく…まるで自分の熱を移すみたいに。
「…どこかでゆっくり話そう…、これからのこと。」
「!…いいの…?私、ヴィラン連合だよ…?」
「あぁ…それも含めて、名前の全部を聞きたい。」
チュッ…と首筋に口付けを落とし抱きしめる焦凍はこの1ヶ月でまた顔つきが変わったかもしれない。
優しくなった顔は少し大人っぽくも見える。
きっとこの1ヶ月で、また色々あったのだろう。
私は、私の手は…ダメだと分かっていながらもその広くなった背中へと回してしまった。
「…場所は、私が決めていい?」
「…あぁ。」
「わかった。…なら行こう。」
少し離れているとはいえ、近くに荼毘がいる。
ここで時間を潰すよりもいいだろうと決めて、私は焦凍の手を引っ張った。