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侵入者
おなまえは?
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授業を終えて家に帰ると珍しくオールマイトさんが先に帰ってきていた。
どうやら今日の活動限界が来てしまったため、いつもよりも早めに帰宅したらしい。
「そういえば昼間のこと聞いたよ。かなりの騒ぎになったみたいだけど怪我はなかったかい?」
「あぁ、うん。私は中庭にいたからそこまで…でも食堂は凄かったって。」
「セキュリティ3なんて滅多にない事だから生徒たちも混乱しただろうからね。」
「ん…でも結局侵入者の正体はマスコミだったみたいだし、怪我人も出なかったから。」
キッチンで2人分のお茶を入れてから、難しい顔をしたままのオールマイトさんにその片方を差し出す。
オールマイトさんからすれば自分のことを取材しに来たマスコミ達のせいで起きた騒動なわけだし、色々と複雑なのだろう。
そう考えながら自分もお茶を1口飲んで、それからふと昼間に見た人影の事を思い出して持っていた湯のみを机へと置いた。
「そういえばその時にね、校舎の方で黒い人影みたいなの見たんだ。」
「人影…?」
「そう。生徒っぽくない…黒い服の人影?」
「そ、それは本当かい!?」
「え、あ、うん…。あ、でも見間違いかもしれないんだよね。視線そらした瞬間にいなくなってたし…。」
“あんな一瞬で人が消えるわけないから。” と零せば、目の前にいたオールマイトさんの顔色が曇る。
なにやら気になることでもあるのだろうか?
そう思ってオールマイトさんの名前を呼べば、相手は少し考えるように俯いてから持っていた携帯の画面を見せてくれた。
「!…こ、れって…雄英バリア?」
「あァ…どうやらマスコミの人達はここから学校内へと侵入したらしい。」
「(頑丈な扉がバラバラだ…。)」
画面に写っていたのは大きく穴の空いた雄英バリアと、その下に山積みになっている雄英バリアだったと思われる瓦礫。
その瓦礫自体も細かくバラバラにされており、これをマスコミ関係者がやったとはとてもじゃないが思えなかった。
「雄英教師側はマスコミの他に侵入者がいた、もしくは雄英高校への宣戦布告なのではと考えている。」
「まさか、私が見たのがっ…?」
「可能性は十分にある。…その人影については誰かに話をしたかい?」
「い、一緒にいた爆豪君には…。けど居なくなってたから見間違いだろうって。」
「…そうか。」
「オールマイトさん…。」
「… 名前君の見た人影については私から校長先生に報告をしておこう。雄英高校のセキュリティは優秀だし、暫くは私も学校にいるようにする。…だから心配はいらないよ。」
そう言って私の頭を撫でてくれるオールマイトさんにコクリと頷いて再びお茶に口をつける。
この人に大丈夫だと言われると、本当に大丈夫なんだと安心が出来る。
“平和の象徴オールマイトは伊達じゃない。”
なんて当たり前の事を噛み締めて、私の中でのその日の事件は幕を下ろした。
→ To be continued.
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