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戦闘訓練
おなまえは?
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皆の言葉を無視して教室を出ていった爆豪君を追うか迷って、その足を止める。
結局、演習が終わってからも爆豪君と私の視線が交わることはなかった。
仲良くなった、なんて思っていたけど…。
「(私だけ、だったのかなぁ…。)」
廊下の窓からぼんやりと外を眺めていれば校門から出てきた爆豪君の後ろ姿が見える。
いつもより小さく見えるのは、彼の背中がいつもよりも丸く前屈みになっているからなのだろうか。
「相談くらいしてよ、爆豪君の見栄っ張り…。」
私がそんな文句を零して息を吐いた時、そんな爆豪君を追って出てきた人影が視界に入る。
緑色のジャンプスーツはボロボロで、ギプスのついた腕は遠目から見ても痛々しい。
けどそんな彼の視線はいつもよりも真っ直ぐ爆豪君を見つめていて…。
“男の子っていいな。” なんて思ってしまった。
「苗字?」
「!…相澤先生。」
「何見てんだ…?」
「んー…青春の1ページ?」
「……爆豪と緑谷か。」
私の隣から外を見て、呆れたように息を吐く相澤先生に苦笑いを漏らす。
きっとこの先生から見たら私たちの悩みなんて小さくて、青臭くて、そんなこと考えている暇があったら筋トレでもしておけと言われてしまうことなのかもしれない。
だけどそんな小さい一つ一つが、いつか私たちの運命を大きく変えるものになる。
それを理解しているからこそ相澤先生は私達に余計な口出しをしてこないのだろう。
「また揉めてんのか…。」
「男の因縁、ってやつらしいですよ?」
「男の因縁ね…。俺には意地の張り合いにしか見えねェけどな。」
「あはは、確かに。」
「ん…おい、爆豪のやつが何か言ってるぞ。」
「え…?」
相澤先生にそう言われそらしていた視線を再び彼らの方へと向ける。
するとさっきまで緑谷君と言い争いをしていた爆豪君が何故かこっちを向いていて…。
その口がパクパクと何度か動いた。
「…相澤先生、今爆豪君がなんて言ったのか分かりました?」
「いや…。」
「私もなんですけど…コッチ見てるってことはきっと返事待ってますよね?」
「そうだな。」
「んー……。」
なんだか顔はいつも以上に不機嫌だし、とりあえずは笑っておけばいいだろうか。
そんな事を考えながら笑顔で手を振ってみれば、爆豪君はプイッと顔をそらしてそのまま再び歩き出してしまった。
うーん、結局何が言いたかったんだ?
なんて疑問は残ったものの、とりあえずさっきよりも元気になったみたいだし…何が言いたかったのかはまた後日聞いてみればいいだろう。
「やっぱり幼なじみには勝てませんね。」
「…勝ちたいならそれなりに踏み込まねェとな。」
「!…相澤先生って本当に毎回痛いところついてきますよね。」
「そう思うんなら成長してみせろよ。」
“Plus ultra、だろ?”
そう言った相澤先生の顔はこれでもか、というくらい楽しそうに笑っていました。
「(クソ名前の奴ッ…!あの顔は俺の言ったこと絶対に理解してねェなッ…!!)」
「(かっちゃん…何で校舎に向かっていきなりあんな事叫んだんだろ…。)」
→ To be continued.
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