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戦闘訓練
おなまえは?
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モニタールームから少し離れたビルの前に立つ。
正直、今は何も考えたくはなかった。
「(爆豪君…何も喋らなかったな…。)」
爆豪君達の演習は緑谷君と麗日さんのヒーローチームの勝利となった。
最後まで目の前の緑谷君に固執した爆豪君と、最後までチームとしての勝利を考えた緑谷君。
そのわずかな気持ちの差が、2人の決着をつけた。
そして戻ってきた爆豪君は、一度もその顔を上げることはなかった。
「…苗字。」
「あっ…ごめん轟君、ぼーっとしてた…!」
「…爆豪のことか?」
「!」
「仲、良いんだろ?」
「あー…うん、まぁ…。あ、けど大丈夫!すぐに切り替えるから!」
そう言って無理に笑って見せれば、そんな私を見た轟君が大きく息を吐く。
もしや呆れられてしまっただろうか。
チーム戦だし、集中しろと思われても仕方ないし。
プロヒーローを目指している奴がこんな事で集中を欠くなんてダメ過ぎるよな。
「(何やってんだ私っ…!)」
「…負けず嫌いっぽいからな、アイツ。」
「え…?」
「心配しなくても…ここで潰れたりしねぇよ。」
「!」
「ああいうタイプは執念深そうだしな…。」
“あ…、悪口ではねぇから。” と呟いて準備体操を始める轟君に思わず頬を緩める。
もしかして、今のは彼なりに励ましてくれているのだろうか?
私が落ち込んでいるようにみえたから?
「…あははっ、そうだね!爆豪君は負けず嫌いだし執念深いからきっと大丈夫だ!」
「!…そうか。」
「轟君、ありがとう。」
「別に…思ったことを言っただけだ。」
「ん、でもありがとう!」
プイッと視線をそらす轟君に、もしやこの子も爆豪君と同じツンデレタイプなのだろうかと首を傾げる。
だとしたらここで余計な深追いはしない方がいい。
そう私が決めた時、耳につけたイヤホンから演習開始1分前の知らせが聞こえた。
「苗字、作戦は覚えてるか?」
「私の音波で相手の位置を把握、その後に轟君の個性で一気に凍らせる。」
「念の為に羽で浮いておいてくれ。足が床についてたら間違って凍らせちまうかもしれねぇ。」
「あ、うん。了解。」
そんな会話をして僅か5分後…。
轟君と私の作戦が見事に決まり、演習は私たちヒーローチームの勝利となった。