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外堀から埋めるタイプ
おなまえは?
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雄英高校ヒーロー科といっても午前中は他の学校と同じような通常授業だった。
プロヒーロー達が教師をしている分、少し癖が強い授業もあるが内容としては普通。
それに対してなんだか意外だ、とは確かに思うが人々を守るプロヒーローが馬鹿では困ると理由付けされれば納得が出来た。
「苗字ー!お昼ご飯一緒に食堂行かない!?」
「あ、私お弁当持ってきちゃった…。」
「そーなん?じゃあ食堂で食べーーー。」
「おい、クソ名前。」
「え…?」
“食べればいいよ。” と三奈ちゃんが言い終わる前に呼ばれた私の名前。
このクラスで私の名前をクソ付きで呼ぶのなんて1人しかいない。
そう思って声のした方に振り向けば、なんだか不機嫌そうな爆豪君が私の後ろで舌打ちを零していた。
「ば、爆豪君?」
「ツラ貸せ。」
「え…でも今からお昼ーーー。」
「口答えしてんなカス。黙ってその弁当ごとついてこいやクソ名前。」
「(あれ、これってもしかして遠回しにお昼ご飯に誘われているのかな…?)」
「返事はどうした、あ゙?」
「わ、分かったってば。ごめん三奈ちゃん、食堂はまた今度ね?」
「え、あ、うん!」
「じゃあ行こう…って、爆豪君何食わぬ顔で私のこと置いてかないで!?」
私が返事をした事を確認してさっさと教室を出ようとする爆豪君を慌てて追いかける。
そして私たちが教室を出た瞬間に聞こえてきた怒声と歓声に思わず苦笑いを漏らしてしまった。
「絶対変な誤解されたよ、あれ。」
「あ?ンなもん勝手に言わせとけや。」
「もー…後で後悔しても知らないよ?」
「るせェ。文句があんならついてくんな。」
「えぇ…爆豪君が誘ったくせに。」
「……。」
「あれ?無視?」
“相変わらず気分屋さんだなぁ。” と無言を貫く爆豪君に呟く。
思えば出会った時から突然に無視を決め込む爆豪君に振り回されていた気がする。
「あ。」
「あ゙?」
「そういえばさ、そろそろ1年経つんだね。私たちが知り合ってから。」
「…だから何だ。」
「いや、なんか一緒にいる時間が多すぎて全然1年って感じしないなぁって。」
「!」
「ところでお弁当どこで食べる?中庭?」
「…話が二転三転するのはテメェの悪い癖だ。餓鬼みたいだから直せや。」
「ええ…なんで不機嫌?」
一瞬緩んだ気がした爆豪君の不機嫌オーラが再び全開になった理由が、私には見当もつきませんでした。