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ナイショの話
おなまえは?
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相澤先生との話を終えて教室へと戻れば、窓際の席で不満そうな顔している爆豪君と目が合った。
チラリと他に視線をやっても人影はない。
まさかと思って近づけば、相手は心底不機嫌そうな顔のまま立ち上がった。
「遅ェ。」
「わざわざ待っててくれたんだ。」
「!…別にテメェを待ってたつもりはねェ。」
「(言ってることがチグハグだよ爆豪君…。)」
プイッ…と視線をそらすものの教室から出ていこうとはしない爆豪君に少しだけ目を細めてから自分の荷物をまとめる。
外は僅かに赤みを帯びていて、なんだか心の中がザワザワとざわめいた。
「お待たせしましたー。」
「…さっさと帰んぞ。」
「はーい。」
世間一般的には綺麗だと言われる夕焼けに何故か苦手意識があるのは昔からだ。
苦手な理由は何となくは分かっているけど、それを言ったところでどうにかなるわけでもなくて。
だからこそオールマイトさんにも相澤先生にも言っていなかったのに、何故か爆豪君にはポロリと零してしまった。
「(それから夕焼けが見える時は一緒にいてくれるんだから)爆豪くんってば優しいなぁ…。」
「あ…?」
「んーん、なんでもない。」
「チッ…。」
どうやら今日の爆豪君は機嫌が悪いらしい。
せっかく記念すべき高校入学初日なのに。
そう思いながら足を進めて、校門を出たところで相澤先生との話を思い出して爆豪くんの袖口をクイクイっと引っ張った。
「私ね、高校の間はGMの個性使用禁止だって。」
「あ゙…?ンでそんな話になんだ。」
「ほら、私の個性って初見殺しでしょ?だからメディア露出とかの可能性も考えてダメだって。」
「……お前は、それでいいんか。」
「ん、いいよー。BFもあるし?だから爆豪くん、GMのことは皆に内緒ね。」
“口止め料は肉まんでどうだ!” と言えば相手はいつものように口角を上げて足りないと文句を言う。
それに対してアイスもつけるからとお願いをすれば食い合わせが悪いと更に文句が飛び出してきた。
「爆豪くんワガママだなー。」
「あ゙?」
「じゃあ今度、爆豪くんのお願い何でも聞く!」
「!」
「あ、でも私に出来る範囲だけね?家買ってとかそういう無茶なの以外ね?」
「…二言はねぇな?」
私の言葉を聞いてギラリと光った爆豪くんの目に嫌な予感がして思わず首を振る。
やっぱりもっと穏便なものに変えよう。
そう思って今のはナシだと伝えれば、爆豪くんは機嫌が良さそうに“却下。”と呟いた。
「ば、爆豪くん待って!やっぱりアイス!アイスと肉まんにしよう!?」
「だから食い合わせ悪過ぎんだよクソ名前が!」
「食べてみないとわかんないじゃん!」
「分かるわッ!味覚音痴かテメェはッ!!」
そんな不毛な言い争いは暫く続きました。
→ To be continued.
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