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これが雄英クオリティー
おなまえは?
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放たれたハンドボールは爆風に乗って速く高く、そして遠くへと飛んでいった。
「(相変わらず派手で強い、良い個性。)」
「まずは自分の最大値を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」
“705.2m” と書かれたそれを見て沸き立つ新しいクラスメイトたち。
個性を使用した体力テストなんて普通に生活していたらやる機会なんてない。
だからこそ面白そうだと騒ぐ子達を見てイレイザー先生の機嫌が悪くなっていく光景に、つい苦笑いをもらしてしまった。
「よし、トータル成績最下位のものは見込みなしと判断し除籍処分としよう。」
《…はぁぁぁッ!?!?》
「さ、最下位除籍って…!」
「入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」
「自然災害、大事故、身勝手はヴィラン達…何時どこで来るか分からない厄災。日本は理不尽にまみれてる。
…そういう理不尽を覆していくのがヒーロー。」
髪の毛をクシャりとかきながら話すイレイザー先生は随分と嫌味っぽい。
わざとなのだろうが、優しいあの人を知っている私からすると何だか複雑な心境だ。
「放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。
“Plus ultra”さ、全力で乗り越えて来い。」
その言葉にさっきまで緩かった空気がピリッと張り詰めた感覚がした。
程よい緊張感とそれを上回る高揚感。
自分があの雄英高校に入学したのだ、という自覚を嫌でも感じることが出来た。
「ビビっとんのか。」
「え、そう見える?」
「見えねェ。」
「デモンストレーションお疲れ様。相変わらず良い個性だよね、爆豪君って。」
「何十回も言うんじゃねェよ。いい加減聞き飽きたわクソが。」
そう言いながら少しだけ機嫌がよくなる爆豪君につい頬が緩む。
自己中だし口悪いけど、こういう素直なところは可愛くて私は好きだ。
「(ただ問題はここからだよなぁ…。)」
爆豪君は緑谷君が無個性だと思っている。
当たり前だ。
個性の発現は4.5歳くらいまでと言われているし、ONE FOR ALLを貰ったのも雄英受験当日の朝。
つまり爆豪くんからしたら雄英のヒーロー科に無個性の緑谷君が受かっているなんてこと自体が信じられない話なのだ。
「おい、ボサッとしてんじゃねェ。さっさと来い。」
「あ、うん。」
まずは50m走からだ、と生徒を引き連れるイレイザー先生の後を爆豪君と共に追う。
入学初日だし、今日のところは穏やかに終わって欲しいな…なんて無謀なことを考えながら体力テストは始まりました。