↓↓
USJ襲撃事件 1
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
つくづく雄英高校という学校は規格外だと思う。
「すっげー!!USJかよ!!?」
そう叫んだ上鳴君に心の中で激しく同意する。
広いドームの中には広いプールに浮かぶ船や倒壊した建物が並ぶエリアなど…あらゆる災害を想定した訓練施設が並ぶ。
ヒーロー科全国トップクラスを維持しているのはこういう設備面の力も大きいのだろう。
「水難事故、土砂災害、火事…etc、あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も…ウソ(U)の災害(S)や事故(J)ルーム!!」
《(USJだったッ…!!)》
「スペースヒーロー13号だ!!災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
「わー!私好きなの13号!」
そう言ってぴょんぴょん跳ねる麗日さんを横目に私もその姿に緩みかけた頬を両手で押さえる。
オールマイトさんというトップヒーローの元で生活しているからか私はアングラ系や災害系などのヒーローを好きになる傾向がある。
もちろんヴィランを派手に捕まえるヒーローも尊敬はしているが、憧れるのはそっち系なのだ。
「(13号って素顔とか見えないけど優しくて紳士だから人気なんだよね…!)」
「おい13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが…。」
「先輩それが…通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでいます。」
「不合理の極みだな、オイ。」
「(あー…もう、オールマイトさんってばやっぱり限界まで活動しちゃったんだ。)」
コソコソと話をする先生2人の会話を盗み聞きして思わず息を吐く。
オールマイトさんは私の親がわりだからか、こういう時は私の肩身まで狭くなる。
ついそんな事を考えながら再び視線をUSJの方へと視線を向ければ、自分の背筋がぞわりと震えた。
「…?(なんだろ、今の…。)」
「(まぁ…今回は念の為の警戒態勢だしな…。)仕方ない、始めるか。」
「えー…それでは訓練を始めていく前にお小言を一つ二つ…三つ…四つ…。」
《(増える…!)》
「皆さんご存知だとは思いますが…僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸いこんでチリにしてしまいます。」
「その個性でどんな災害からも人を救いあげているんですよね!」
「えぇ…しかし簡単に人を殺せる能力です。皆の中にもそういう個性がいるでしょう。」
《!!》
13号の言葉に思わず自分の手を見つめる。
私のBFもGMも、きっと本気になれば人の命を奪うことが出来る個性だ。
そしてそれは強力な個性を持つが故に雄英高校に入ってきた周りの皆も同じ…。
「超人社会は個性の使用を資格制にし厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる“いきすぎた個性”を個々が持っていることを忘れないでください。」
「(いきすぎた…個性…。)」
「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います。
この授業では…心機一転!人命のために個性をどう活用するかを学んでいきましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。
助けるためにあるのだと心得て帰って下さいな。」
“ご清聴ありがとうございました!” とお辞儀をする13号に拍手が上がる。
やっぱり13号はカッコイイ。
今日の人命救助訓練で少しでもこの人に近づけるように頑張りたい。
そんな決意を胸にUSJの方へと向き直った瞬間、階段を下りた先にある噴水前に黒っぽい渦が現れた。
「!ッ…相澤先生!!」
「ひとかたまりになって動くなッ!!」
それは…奇しくも、命を救える訓練時間に私達の前に現れた。
プロが何と戦っているのか、
何と向き合っているのか、
それは、途方もない…悪意だった。
→ To be continued.
3/3ページ