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遠回り
おなまえは?
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ガタガタっ…と扉を開ければ、中にいたその人は驚いように目を見開いた。
きっと目覚めたら居なくなっていた私に連絡を取ろうとしたのだろう。
その手に留まった地獄蝶がヒラヒラと羽を揺らしていた。
「名前?どこに行ってたんだい。」
「ご、ご飯の材料を買いにっ…!」
「!フフッ…、珍しく早く起きてると思ったら。そんな事しなくても僕が作るよ。」
「あのっ…!」
「ん?」
「!っ…//////。」
何故だろう、あんなに気合入れてきたのに…。
この人の前に立ったら言葉が出てこない。
いつも見慣れているはずの着流し姿も眩しくて、自覚してしまった事に少しだけ後悔した。
「… 名前?」
「あ、のっ…実はっ…弓親さんが裏でしていた事聞きましたっ…!」
「!…そうか、だから…。」
「っ…ごめんなさいっ!私っーーーー。」
「分かってる。気持ち悪いよね、名前がフラれるように裏で手を回してたなんて…。」
「えっ…?」
「もうしないよ、大丈夫。」
“ごめんね、好きになってしまって。”と眉を下げて寂しそうに笑うその人に固まる。
違う、そうじゃない。
そう言いたいのに、言葉が出ない。
どうしたら、この人に伝わるのだろう。
「じゃあご飯作るか、らっ…!?」
「っ…失礼しますっ…!!」
「んっ…!?」
ガシッと弓親さんの肩を掴む。
意外と身長差があるんだな、なんて考えながら私は弓親さんの唇に自分のそれを無理矢理くっつけた。
「え… 名前っ…?」
「私気付いたんです、抱きしめられるのも頭撫でてもらうのも全部…弓親さんがいいって。他の人にされても嬉しくないって!!」
「!っ…僕、独占欲強いよ…?」
「知ってます。」
「はぁっ…全く…本当に君はさぁっ…。僕ばっかり振り回されるんだから、名前には敵わないな…。」
そう言って笑った弓親さんは少しだけ頬が赤くなっていて、すごく可愛かったです。
「…で?誰に抱きしめられてきたのかな…?」
「!ゆ、弓親さん顔怖いっ…。」
「僕の名前を抱きしめるなんていい根性してるね、ソイツ。」
「(こうやって脅してきたんだ、弓親さん…。)」
何はともあれ、やっと彼氏が出来ました。
END
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