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遠回り
おなまえは?
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「アンタそれダメだわ。」
「えっ!?な、何がですかっ…!?」
「女としてに決まってるでしょ?」
“そりゃあモテない訳だわ。”と呆れるのは私のもう1人の相談相手・松本乱菊さん。
乱菊さんは十番隊副隊長なのにとても気さくで後輩の私にも優しくしてくれる。
さらにナイスバディーだし、美人だし…彼女に惚れている同僚は数知れない。
「大体あんなだけど弓親も男なのよ?それなのに泣きつくなんて…。子供と一緒じゃない。」
「うっ…返す言葉もございませんっ…。」
「(というか弓親に下心しか感じないけど…この子もしかして全く気づいてないのかしら…?)」
「弓親さん…やっぱり心の中で呆れてるのかなっ…。」
「…さぁね。それは本人に聞いてみたら?」
「そ、それが出来たら苦労しないですっ!」
“そりゃあ乱菊さんなら余裕でしょうけど…。”と呟いてお酒を飲む。
今日はなんだかたくさん飲める気がする。
そう思った私は久しぶりに許容範囲以上のお酒を胃袋へ流し込んでしまいました。
「…で、アンタが迎えに来るのね。」
“弓親。”
そう呼ばれニッコリと笑えば相手は呆れたように大きな溜息をついた。
「弓親、アンタいつまでそうやって名前の邪魔していくつもり?」
「…なんの事だい?」
「惚けるんじゃないの。名前が好きな人作る度にフラれるからおかしいと思って調べたのよ。」
「!へぇ、それで?」
「皆、口揃えて言ってたわ。アンタに脅されて名前との交際は諦めたって。」
“好きなら好きって伝えたらいいじゃない。”と呆れる彼女にはきっと分からないだろう。
自分が異性として求められていないことがどんなに辛いことか。
何度、無理矢理にでも彼女を自分のものにしようと思ったことか。
「…だけどね。」
「!え…?」
「だけどね、いつか名前が僕を見てくれたらなって思うんだよ。」
「…なら男らしく正面からぶつかんなさいよ。そんな小細工いつかバレるんだから。」
「分かってるよ。」
酔って眠っている彼女を抱き上げる。
無防備に寝るその顔が少しだけブサイクで、凄く可愛いものだから思わず頬が緩まってしまった。
「じゃあ、彼女は貰っていくね。」
「はいはい。」
「(どう見ても名前のアレは弓親に無自覚に恋してるだろうし、さっさとくっつきなさいよ…。)あー…もう1軒行こうかな。」