↓↓
どっちもどっち
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
大学の講義を終えて携帯を開く。
そして画面いっぱいに並ぶ着信履歴とメッセージ履歴に思わず肩を落とした。
「今日も絶好調だねー、名前の彼氏。」
「…まぁね。」
「毎日毎日すごいよね、その量。ていうかそんなんでちゃんと仕事してんの?」
「あー…まぁ、してるね。一応、部下もいるし。」
「職場の人は知らないだろうね、その人が彼女に依存してるヤバイ男だって。」
“で、いつ別れるの?”
そう言って眉を寄せる友人を適当にいなして、その人宛のメッセージ画面を開く。
とりあえず今日の分の講義は終わったし、今から直接向かえば30分でつけるけど…家に帰ってシャワーを浴びたい。
そんなメッセージを送った20秒後には“直接来い。”と新しくメッセージが送られてきて、仕方ないかと大学を出た。
「名前さん。」
「!…なんだ、黒霧さんか。」
「すみません、死柄木弔がどうしても連れてこいと言うものですから仕方なく…。」
「あー…なんだか逆にすみません。」
「いえ、私は構いませんよ。…ここでは目立ちますのでコチラへ。」
そう言って案内された路地裏に開いた黒い渦。
いつもながらSFちっくだな、なんて思いながらその渦に飛び込めば次の瞬間にはいつものBARの中にいた。
「遅ェ。」
「…弔くん、大学の講義中は連絡返せないって言ってあったよね?」
「そんなのどうでもいいから早くコッチ来い。」
「どうでもよくない。私の携帯、そのせいですぐ充電無くなるんだからね。」
私に向かって伸びてきた手を無視して話を続ければ途端に不機嫌なオーラを出す弔くん。
チラリと振り向いてみれば黒い渦は消えているし、黒霧さんは今日も私を見捨ててどこかへ行ってしまったようだ。
こんな事なら家でシャワーを浴びてから連絡を返すべきだった。
そんな後悔をしながら一歩前へと出て、再び伸びてきたその腕の中に収まった。
「なァ、なんで大学なんて行くんだよ。」
「知識をつけるためにだよ。」
「ヴィランのくせに?」
「ヴィランでも知識はあった方がいいの。特に私のボスは気分屋で考えなしだから、私が代わりに色々考えてあげなきゃでしょ?」
「何それ、俺のこと馬鹿にしてんの?」
「事実を言っただけだよ?」
「…ムカつく。」
そんな言葉を吐きながらも絶対に緩まない腕に私の頬が緩む。
きっと私以外が言ったらすぐ彼の個性で崩されてしまうのに、私の時は少し拗ねたような声が聞こえてくるだけで終わる。
こんな可愛い恋人と別れるなんて考えられないよ。
そう考えてしまうほどには、私も彼という男に溺れているのだろう。
1/2ページ