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キミが好き
おなまえは?
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ガラッと勢いよく扉を開ければ、中にいたソイツは驚いたように目を見開いている。
こうして怪我をした彼を見るのにも飽きた。
そう言いそうになった自分の口をギュッと閉じて、近くにいた看護師から彼のバイタル記録を受け取った。
「左手首の骨折に右下腹部の裂傷・・・。トップヒーローが聞いて呆れるよ、デク。」
「ご、ごめんなさい・・・。」
「毎回毎回・・・怪我しないで任務を遂行することは出来ないのかなぁ、君は。」
「ま、毎回じゃないよっ・・・?ここ(病院)に来たのだって1ヶ月ぶりくらいだしっ・・・!」
「そうだよねぇ、1ヶ月置きに病院来るのは君がご老人くらいだもんねぇ?」
呆れた言い訳をするデクに精一杯の嫌味をぶつけてからカタカタ・・・とカルテを入力していく。
サイドキック達から頭も打っていたと聞いていたが、今のところ麻痺も起きていない。
モサモサの頭が良いクッションになったのだろう。
「・・・で?今回も自分は怪我をしたけど市民は誰一人怪我もせず守りきれたって?」
「な、なんだか今日の名前ちゃんはすごくトゲがある気がするんだけどっ・・・。」
“気のせい、かな・・・?” と私の顔色を伺うコイツは今話題のトップヒーロー、デク。
その強さと優しさで人々からの人気も高く、ここ最近では彼をメディア越しに見ることが増えた。
・・・が、同時に任務の度に怪我をしてココに運ばれてくることが彼の主治医としては大変腹立たしい。
「名前ちゃんッ・・・?」
「・・・いっそのこと主治医辞めてやろうか。」
「えっ・・・!?な、なんでっ!?」
「怪我人は大人しくしててくださいねー。」
「ぼ、僕ほんとに何かしちゃった!?」
アワアワするデクを放置して彼の背後に回り、ぶつけたという後頭部を確認する。
出血もないし、大丈夫だとは思うが・・・念には念を入れるのが医者の役目だ。
CTなら時間的にもまだ間に合うだろう。
「そこのアナタ、後でCT一件入れるからレントゲン科に待っててもらうよう伝えておいて。」
「は、はい。」
「それから今からコイツの治療するから、しばらく誰にも中に入れないで。」
「分かりました!」
パタパタと出ていく看護師を見送ってから、私をチラチラ見るデクの前へと戻る。
まずは左手首から治そう。
そう思って彼の左手を持ち上げれば、彼は少しだけ嬉しそうに頬を緩めた。
「えと・・・お手柔らかに?」
「・・・・・・うるさい。」
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