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好きのうち
おなまえは?
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「・・・文化祭?」
「あぁ。お前暇だろ。」
「あはは、本気でそう思ってるなら今すぐ殴っていいですか?」
グッ・・・と拳を握りながら微笑めば相手は真顔で冗談だと言ってのけた。
それはアレか、あんたの好きな合理的虚偽ってやつか。
だとしても殴る権利が私にはあるぞ。
「死穢八斎會の件で警視庁も荒れてます。ただでさえ雄英の特別講師引き受けてバタついてる私にそんな余裕ないですよ。」
「・・・その死穢八斎會の件で保護したエリを雄英の文化祭に連れていく。」
「はっ!?」
「緑谷と通形が提案してな、学校側には許可を貰った。・・・で、警視庁の方はお前次第だそうだ。」
“つまり仕事の一環だな。”
そう言ってニヤリと笑うイレイザーヘッドに、これだからこの人が嫌いなのだと舌打ちする。
私が何を考えているか分かっているように笑うコイツに、私は何度も振り回されてきたのだ。
「お前、最近エリに会ってないだろ。」
「!・・・忙しくて病院に行けてないんです。」
「エリが夜になるとお前の名前を呼びながら泣く。今日の夜にでも病院に来い。」
「(簡単に言ってくれちゃってさ、コッチの都合も考えてくれよ根暗ヒーローめ。)・・・分かりました。」
「エリには俺から伝えておく。」
そう言って職員室から出ていくイレイザーヘッドさんの後ろ姿に思わず零れた舌打ちは不可抗力だ。
「ナマエさんっ・・・!」
「おわっ・・・!」
タッ・・・と走りよってきたエリちゃんを驚きつつもしっかりと受け止める。
身体のあちこちに傷は残っているものの、顔色は保護された直後よりもいくらかマシになっている。
そんな事を考えながらベッドに連れていくが、ここ1週間くらい会えていなかったエリちゃんは私に抱きついて離れようとしなかった。
「(寂しい思いさせちゃったな・・・。)」
「・・・俺は外にいる。」
「!イレイザー・・・じゃなくて、相澤先生。ありがとうございます。」
ギュッ・・・と私の服を掴むエリちゃんの頭を撫でながらイレイザーヘッドさんのお礼を伝える。
やっぱり何ヶ月経っても相澤先生と呼ぶことに違和感を感じてしまうな。
・・・私にとって、彼はイレイザーヘッドというイメージが強すぎるのだ。
「エリちゃん、ご飯食べた?」
「・・・うん。」
「そっか。最近来られなくてごめんね?」
「・・・・・・うん。」
「今日はエリちゃんが寝るまで一緒にいるからね。」
「!・・・本当っ・・・?」
「本当。明日の朝もエリちゃんと一緒に朝ご飯食べてからお仕事行こうかな。」
「っ・・・!」
私の言葉に少しだけ顔を綻ばすエリちゃんに、思わず私の頬もデレデレと緩まる。
死穢八斎會の件を担当する事は全力で拒否していたけど、こんな可愛い子に懐いて貰えたならプラマイはゼロだ。
まぁ、代わりに鬼のような忙しさに日々悩まされてはいるんですけどね。
「あのね、エリねっ・・・ワクワクさんなのっ・・・。」
「!ワクワクさんっ・・・?」
「ぶんか、さい・・・?デクさんとルミリオンさんと一緒にね、リンゴアメ食べるのっ・・・!」
“ワクワクさんだよっ・・・?” と私を見上げながら伝えてくるエリちゃんに、たまには仕事と称して遊ぶのもいいかと頬を緩めた。
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