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ヒーロー名は!
おなまえは?
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「ねぇ、かっちゃん!かっちゃんは本当にプロヒーローになるの?」
「当たり前だろ!オールマイトよりもずっと強いプロヒーローになる!」
「オールマイトよりも強いヒーロー!?」
「あぁ!名前は個性が弱いから、ヒーローになれねぇだろ?だから俺が守ってやる!」
そう言っていた幼なじみが本当にプロヒーローになったという噂を聞いた。
聞いた、なんて他人事なのは私が日本から離れ遠く海外で暮らしていたからで。
小学生まではベッタリだった彼とも、今となっては連絡すらとっていない。
「(やっと着いた…。)」
「苗字先生は日本、久しぶりなんでしたっけ?」
「小学校卒業以来だから…10年以上振りかな。」
「それからずっと海外かぁ…。どっちが故郷か分かんなくなりそうそうっすね!」
そう言って笑う大学の教え子に頷きつつも空港のロビーで迎えの車を待つ。
たしかに日本に住んでいた頃の記憶なんてほとんどないし、今現在で知り合いと呼べる人もいない。
だけど1人だけ…彼のことだけは覚えていて。
プロヒーローになったと聞いた時はとても嬉しかったのを覚えている。
“こちら現場から中継です。ヴィランによる立てこもり事件が発生してから1時間が立っており、人質の安否が心配されています。”
「立てこもり事件とか日本では珍しいっすね。プロヒーロー達は何してるんでしょう?」
「…人質がいるなら簡単に手出しは出来ない。現場に突入するかどうか検討中、って所じゃない?」
「ほぉ…海外だとすぐドンパチするけど、日本はそういうところ堅苦しいっすよねぇ。」
「それが日本人の性格だからね、仕方なーーー。」
“仕方ない。” と私が言い切る前にテレビ画面から聞こえた大きな爆発音。
思わずその場にいた全員がモニターに顔を向け、その爆煙から出てきた人影にゴクリ息を飲んだ。
“…あ、れはっ…大爆殺神ダイナマイトです!!プロヒーロー大爆殺神ダイナマイトがヴィランを撃退し今!!人質を救出しました!!”
「お、出たダイナマイト!俺日本にいた時からこのプロヒーロー好きなんすよね!」
「……。」
「名前クソダサくて口もクソ悪いんですけど…けど強いからいいやって思えちゃうっていうか。」
「……子どもっぽい名前。」
「まぁそうなんですけどー…って、先生…?」
「本当にっ……変わらないんだからっ…。」
「せ、先生?泣いてるんですかっ…?」
私の顔を見て慌て始める教え子の言葉なんてその時の私には聞こえていなくて。
モニターに映るその懐かしい金色の髪に、零れる涙を止めることなんて出来るはずがなかった。
“かっちゃんのヒーロー名、爆発ダイナマイトとかどうかな!?”
“なんだそのダセェ名前!”
“だ、ダサいかな!?”
“ダセェ!!大体ダイナマイトとか長過ぎんだよ!”
「爆発ダイナマイトより長いしダサいじゃん…かっちゃんの大馬鹿野郎っ…。」
それはかつての幼なじみから、今の貴方への激励。
END
(→ あとがき)
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